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ロボットが大量に働く時代
2025-08-12


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【概要】

 2025年8月に北京で開催された第2025回世界ロボット大会(WRC)は、「ロボティクスカーニバル」の到来を象徴するものである。北京のYizhuangで開催されたこの大会は、1,500点の展示品が5万平方メートルの展示ホールを埋め尽くし、観客を驚嘆させた。8月14日から17日には、北京の国家スピードスケートオーバルで2025年世界ヒューマノイドロボットゲームが行われ、16か国から280チーム、500体以上のヒューマノイドロボットが同じ舞台で競った。これらの二つの大規模なイベントは、未来感を強く感じさせるとともに、中国の新たな質の生産力が急速に高まっている勢いを示している。

 第2025回世界ロボット大会は規模と革新の「濃縮度」の両面で新記録を樹立した。フルボディのヒューマノイドロボットメーカーが50社出展したのは史上最多である。また、昨年のほぼ倍となる100以上の新製品が世界初公開された。開会式ではヒューマノイドロボット「天工2.0」が司会を務め、UnitreeのG1ロボットが格闘試合を行い、UBTECHのWalker S2は自律的に3分でバッテリー交換を行い、深センのCyborg Roboticsの生体模倣型巧手が重量物の持ち上げを披露した。これらの実演は中国のロボット技術の急速な進展を際立たせている。

 また、この大会の特徴は産業の「消費」への組み込みである。Yizhuangでは世界初の「Eタウンロボット消費祭」が開催され、身体を持つAIロボットに特化した世界初の4S店やロボットテーマレストランがオープンし、単なる「見学用展示」から「消費用展示」へと展示形態が進化した。ロボットの入手が自動車購入のように手軽になる未来の展望は、生産と消費の双方向の活力を刺激している。

 国際メディアの反応を見ると、この革新主導のイベントは国境を越えた注目を集め、未来の生産力への世界的な熱意を喚起している。Nikkei Asiaは、「踊り、抱擁し、バスケットボールをする機器」と題して中国のヒューマノイドロボット展示が「投資熱狂」を引き起こしていると報じた。AP通信は「ロボットを買う?」の見出しで多彩なロボットの写真を紹介し、BBCはアインシュタインに似たロボットを取り上げ、幅広いヒューマノイドロボットの展示を強調した。ロイターは中国のロボットがチェスの対戦相手やペット犬の役割を担う例を取り上げ、多様な応用シナリオを紹介している。ここに示されるのは、技術の光彩だけでなく、革新が導く人類発展の新たな道である。

 2025年WRCは単なる技術展示の場に留まらず、ヒューマノイドロボットなど未来産業の商業化の試金石としての役割も果たしている。Unitree Roboticsの創業者Wang Xingxingは、現在のロボットは主に「性能段階」にあるとし、最終目標は「仕事をこなすこと」であると述べた。将来的にロボットが大量に働く時代には、生産されたロボット1台ごとに税金が課される可能性もあると展望している。現在、中国の産業用ロボットは国家経済の71の主要分野をカバーし、製造業ロボットの密度は世界第3位に上昇している。JDの「アジアNo.1」倉庫ではロボットが1分間に2万点の商品を棚に並べることが可能であり、産業から家庭に至るまでロボットはよりスマートで思いやりのある形で日常生活に統合されつつある。

 モルガン・スタンレーが今年発表した「ヒューマノイド100」リストでは、中国から35社が世界の「トップティア」として認められた。中国企業は成熟したサプライチェーン、広範な応用シナリオ、強力な政策支援を背景にヒューマノイドロボット分野で著しい進歩を遂げている。工業情報化部の「ヒューマノイドロボットの革新と発展に関する指導意見」では、これを未来産業の新たな分野と位置づけ、多くの地域で支援政策や特別資金が技術突破を促している。民間セクターのイノベーションがロボット産業に翼を与え、政策の支援が業界の飛翔を後押ししているのである。


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