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米国:日本での軍事的プレゼンスの強化の実態
2024-07-05


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【概要】
 
 最近の在日米軍機の100億ドルのアップグレード計画は、特に台湾をめぐる中国との緊張の高まりを背景に、日米防衛同盟を強化することを目的としている。近代化の取り組みには、旧式のF-15およびF-16を高度なF-15EXおよびF-35ジェット機に置き換えることと、米海兵隊のF-35Bの配備の変更が含まれる。

 沖縄の嘉手納基地はF-15戦闘機48機をF-15EX36機に、三沢基地はF-16戦闘機36機からF-35A戦闘機48機に改修する。しかし、機材の老朽化、アップグレードの遅れ、生産上の問題により、これらの取り組みの有効性が損なわれる可能性がある。F-15EXは、旧型より改良されているものの、厳重に防御された空域に必要なステルス能力を欠いており、次世代制空権(NGAD)戦闘機が運用可能になるまでの一時的な解決策となっている。

 嘉手納には最高級のF-22戦闘機が配備されているが、200機以上のJ-20ステルス戦闘機を含む中国の急速に拡大する艦隊に対しては、その限られた数では十分ではない可能性があり、中国は2035年までに1,000機のJ-20を保有する可能性があると予測されている。米国は、F-35の信頼性、保守性、可用性に関する課題に直面しており、競争力の維持をさらに複雑にしている。

 F-22戦闘機は、その能力を強化するために220億ドルのアップグレードを受けているが、この投資は、より新しく、より高度な戦闘機の開発からリソースを振り向ける可能性がある。一方、中国の空軍力は成長を続けており、太平洋地域や世界において米国の空軍力を凌駕する可能性を秘めている。

 要するに、米国は日本における軍事的プレゼンスの強化に向けて前進しているが、これらの努力は、急速に近代化・拡大する中国の空軍に対抗するには不十分かもしれない。

【詳細】

 今回の米国による日本駐留軍用機の10億ドル規模のアップグレード計画は、中国との対立が高まる台湾情勢を背景に、米日防衛同盟を強化するためのものである。この計画では、古いF-15およびF-16戦闘機を、最新鋭のF-15EXおよびF-35戦闘機に置き換え、米海兵隊のF-35Bの配備を変更することが含まれている。

 主なポイント

 1.Kadena Air Base(沖縄県嘉手納基地)

 ・嘉手納基地の48機のF-15戦闘機を36機のF-15EXに置き換える。嘉手納基地は台湾に近いため、その戦略的重要性は非常に高い。
 
 2.Misawa Air Base(青森県三沢基地)

 ・三沢基地では、36機のF-16戦闘機を48機のF-35Aにアップグレードする。

 3.Iwakuni Air Station(山口県岩国基地)

 ・岩国基地では、米海兵隊のF-35Bステルス戦闘機の配備を米海兵隊のフォースデザインの近代化に合わせて調整する。

 しかし、老朽化した戦闘機の存在、アップグレードの遅延、そして生産上の問題が、この努力を妨げる可能性がある。特にF-15EXは、旧型機に対する大幅な改良を施しているが、重い兵装と改良されたセンサーを持つ一方で、ステルス機能が不足しており、重防衛空域での生存性が低いため、暫定的な措置に過ぎない。

 課題

 1.老朽化した戦闘機

 嘉手納に配備されているF-15戦闘機は40年のサービスを経て退役しており、米空軍の能力が中国の急成長する現代的な空軍に匹敵するかどうかが疑問視されている。
 ・米国の戦闘機の平均年齢は29歳であり、一部の戦闘機はその寿命を大幅に超えている。

 2.F-22の限られた配備

 ・嘉手納基地には最新のF-22が配備されているが、その数は限られており、中国の増加する第五世代戦闘機(J-20など)に対抗するには不十分である。

 3.F-35の信頼性問題

 ・2023年度の米国防総省の報告によれば、米国のF-35戦闘機艦隊(628機)は信頼性、維持性、可用性に関する問題に直面しており、稼働率は51%にとどまっている。目標は65%であるが、現状はそれを大きく下回っている。

 中国の急成長する空軍


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