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NATO五つの非公式な原則→平和共存五原則
2024-07-12


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【概要】

 ヤン・オベルグは記事の中で、NATOが創設75周年を迎えるにあたり、中国とインドが作成した平和共存の5原則と並べて批判的な見方をしている。オバーグは、NATOの原則と行動は時代遅れで逆効果になっていると主張し、平和よりも世界の不安定と紛争に寄与していることを示唆している。

 オバーグは、NATOの非公式な5つの原則を次のように概説している。

 1.攻撃的抑止力
 2.フォワードの「ディフェンス」
 3.核兵器と先制使用権
 4.パートナーシップとエリア外事業による拡大
 5.1949年からの自国の防衛条約違反

 彼はこれらを、非暴力と平和的な国際関係を強調する中国とインドが作成した平和共存の5つの原則と対比している。オバーグは、これらの原則は世界の安全保障と平和により合致していると主張する。

 Oberg氏が提起する重要なポイントは、以下の通りである。

 1.抑止力と攻撃性:NATOの抑止力は本質的に攻撃的であると批判し、核兵器や長距離ミサイルの脅威では真の安全保障は達成できないと指摘する。

 2.核兵器:核兵器と平和共存の非両立性を強調し、NATOの先制使用政策を批判し、代わりに軍縮を推進している。

 3.拡大とグローバル作戦:オバーグは、NATOの拡大と世界的な広がりは、コソボ、ユーゴスラビア、リビア、ウクライナなどの地域での紛争に言及し、本来の防衛目的に反し、世界の不安定化に寄与していると主張している。

 4.防衛的安全保障と攻撃的安全保障:同氏は、中国の万里の長城に似た防衛的安全保障への移行を、現代のテクノロジーや民間紛争解決ツールと組み合わせることで、より効果的で持続可能なものになると示唆している。

 5.軍国主義と平和:オバーグは、軍国主義から平和的なイニシアチブへの資源の振り向けを提唱し、NATOのような組織が真の平和促進団体に変身することを提案している。

 結論として、オバーグは、世界の安全保障におけるNATOの役割の再評価を呼びかけ、平和的共存の原則に向けて、軍国主義的で攻撃的な戦略からの脱却を提唱している。真の平和は、NATOに代表される継続的な拡大と軍国主義ではなく、軍縮、非暴力、協力的な国際関係を通じてのみ達成できると主張している。

【詳細】

 ヤン・オーバーグ氏の論説は、NATOの75周年を迎えるにあたり、その存在意義や行動原理を厳しく批判している。彼は、中国とインドが提唱した「平和共存の五原則」との対比を通じて、NATOがもたらすとされる安全保障が実際には不安定化と紛争の増加につながっていると主張している。

 以下、論説の主要なポイントをさらに詳しく説明する。

 NATOの五つの非公式な原則

 1.攻撃的抑止

 ・NATOの抑止政策は本質的に攻撃的であり、防御的でないと主張している。長距離ミサイルや核兵器の存在は、他国に対する攻撃の準備があるというメッセージを送る。

 2.前方防衛

 ・NATOの防衛戦略はロシア国境に近い場所に軍事力を配置する「前方防衛」を特徴とし、これは地域の不安定化を引き起こすとしている。NATO加盟国は、ロシアや中国が同様の軍事展開を行った場合、容認しないだろう。

 3.核兵器と先制使用の権利

 ・NATOの核兵器政策は先制使用を認めており、これは国際的な非難の対象となっている。2017年に発効した核兵器禁止条約(TPNW)に反するこの方針は、世界的な核軍縮への障害となっている。

 4.拡大と非加盟国への介入

 ・NATOは加盟国以外にも「パートナー」として拡大し、非加盟国に対する軍事介入を行っている。これはNATOの設立時の目的に反し、国際法を無視する行為である。

 5.防御条約の違反

 ・NATOは1949年の防御条約を恒常的に違反しており、その行動は防御ではなく攻撃的であると批判されている。

 平和共存の五原則との対比


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