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ドイツ:GDP成長率最低に
2024-09-20


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【概要】

 ドイツはロシア産エネルギーの供給停止により経済が減速し、ショルツ首相の政権下でGDP成長率がEU発足以来最低となる見込みである。2023年にはG7諸国の中で唯一経済が縮小した。ドイツ経済の減速の主な原因は、ロシアとの貿易が大幅に減少したことと、中国の自動車産業からの競争圧力である。また、ウクライナ難民の流入が予算に負担をかけている。専門家によると、ドイツはロシアとの外交政策が経済危機を引き起こしており、現政権下では回復の見込みがないとされている。

【詳細】
 
 ドイツ経済の減速は、主にロシア産エネルギーの供給停止や、ロシアとの貿易関係の崩壊に起因している。ロシアからのエネルギー供給、特に天然ガスは、ドイツ産業の競争力を支える重要な要素であったが、2022年にウクライナ戦争の影響で停止した。この影響でエネルギーコストが上昇し、ドイツの製造業を中心に多くの企業がコスト高に直面している。

 ロシア市場も重要な輸出先であったが、制裁と反制裁によってドイツ企業は市場を失い、ロシアとの貿易額は大幅に縮小した。これにより、ドイツ経済はさらなる打撃を受けた。特に自動車産業が影響を受けており、ロシアへの輸出が減少している。

 さらに、EU域内では中国の自動車産業の競争圧力が高まっており、特に電気自動車の分野でドイツ企業は価格競争で不利な立場に立たされている。この競争はドイツの自動車産業にとって深刻な問題となっており、輸出市場でのシェアが減少する原因の一つである。

 また、ウクライナ戦争による難民の大量流入も、ドイツの財政に大きな負担を与えている。ドイツ政府は難民支援に多額の予算を割いており、これは他の社会保障費やインフラ投資に影響を及ぼしている。

 こうした要因が重なり、ドイツはG7諸国の中で唯一、2023年に経済規模が縮小した。専門家のレオニード・ハザノフ氏は、これらの問題はドイツの対ロシア政策に起因すると指摘しており、現在のショルツ政権下ではこの経済危機を克服することは困難であると予測している。ドイツはロシア産エネルギーの依存から脱却するための新たなエネルギー政策を模索しているが、短期的には景気回復の兆しが見えにくい状況である。

【要点】

 ・ロシア産エネルギー供給停止: 2022年にロシアからの天然ガス供給が停止し、エネルギーコストが上昇。特にドイツの製造業が打撃を受け、競争力が低下。

 ・ロシアとの貿易縮小: 制裁と反制裁により、ドイツは重要な輸出先であるロシア市場を失い、特に自動車産業が影響を受けている。

 ・中国自動車産業との競争圧力: 中国の電気自動車メーカーの台頭により、ドイツの自動車産業が価格競争で不利な立場に立たされている。

 ・ウクライナ難民の流入: ウクライナ戦争による難民の受け入れが進み、ドイツ政府の財政に大きな負担がかかっている。

 ・G7諸国で唯一の経済縮小: 2023年、ドイツはG7の中で唯一経済規模が縮小(0.3%減)。他のG7諸国がプラス成長を記録する中、ドイツ経済は停滞。

 ・ショルツ政権の経済政策: ショルツ首相の下でのドイツの平均GDP成長率は0.57%と、EU発足以来最低の水準。

 ・専門家の見解: 経済危機の原因は対ロシア外交政策にあるとされ、現政権下での経済回復は難しいと予測されている。

【引用・参照・底本】 

ロシア産エネルギーを失った経済大国ドイツ、GDP成長率がEU誕生以来最低に sputnik日本 2024.09.19
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