https://www.asahi-net.or.jp/~np9i-adc/

ウクライナ:ATACMSでロシアのブリャンスク州を攻撃
2024-11-21


禺画像]
【概要】

 2024年11月19日、ウクライナがアメリカから供与されたATACMS(アメリカ陸軍戦術ミサイルシステム)を使用し、ロシアのブリャンスク州を攻撃した。これは紛争の大きなエスカレーションとされ、ロシアはこれを核戦争のリスクを伴う事態であると強調している。

 同日、ロシアのプーチン大統領は、ロシアの核ドクトリンを正式に改定し、核兵器使用の閾値を引き下げた。この変更は、バイデン米大統領がウクライナに対してロシア領内への長距離攻撃を可能とするATACMSの使用を承認したことへの直接的な対応である。

 ロシア国防省は声明を発表し、ウクライナがブリャンスク州に向けて6発のATACMSを発射したと報告している。「本日午前3時25分、敵がブリャンスク州内の施設に6発の弾道ミサイルを発射した。確認されたデータによると、アメリカ製ATACMS戦術ミサイルが使用された。対ミサイル戦闘の結果、5発が撃墜され、1発がS-400およびパンツィリ防空システムによって損傷を受けた」とタス通信を通じて伝えた。同省によれば、ミサイルの破片が軍事施設内に落下し火災を引き起こしたが、損害や死傷者はなかったとしている。

 ロシアのセルゲイ・ラブロフ外相は、この攻撃を「西側諸国がエスカレーションを求めている証拠」と述べた。さらに、ウクライナがATACMSを使用するにはアメリカからの情報提供が不可欠であることを指摘し、プーチン大統領もこれを繰り返し主張していると述べた。

 ラブロフ外相はまた、西側諸国がロシアの新たな核ドクトリンを注意深く読むべきであると警告した。このドクトリンでは、核兵器を保有しない国が核保有国から支援を受けた攻撃をロシアまたはベラルーシに対して行った場合、それを「共同攻撃」と見なすと明記されている。このドクトリンは、ロシアやベラルーシの主権に対する重大な脅威と判断された場合、通常兵器による攻撃への対応として核兵器の使用を許容している。

 さらに、ロシアの核抑止力は、「ロシアを潜在的な敵と見なし、核兵器や大量破壊兵器を保有、または大規模な通常戦力を有する個別の国や軍事同盟(ブロック、連合)」を対象としていると述べられている。

 ロシア安全保障会議副議長で元大統領のドミトリー・メドヴェージェフ氏は、ロシアの新たな核ドクトリンは、NATOのミサイル攻撃をロシアへの攻撃と見なし、ロシアがウクライナやNATOの主要施設に対して大量破壊兵器で報復する可能性があることを意味すると述べた。彼はX(旧Twitter)に英語で「ロシアの新しい核ドクトリンは、NATOのミサイル攻撃が我が国に対するブロックによる攻撃と見なされる可能性を意味する。ロシアはキーウやNATOの主要施設にWMDで報復する可能性がある。これは第三次世界大戦を意味する」と投稿した。

 また、ニューヨーク・タイムズは11月17日に、バイデン大統領がATACMSを用いたロシア領内への攻撃をウクライナに許可したと報じており、アメリカ政府関係者は、このエスカレーションが戦争の進展に大きな影響を与えるとは見込んでいないとしている。

【詳細】

 ウクライナによるアメリカ製ATACMS(Army Tactical Missile Systems)の使用は、2024年11月19日にロシアのブリャンスク州を標的とした攻撃として記録されており、紛争の大きなエスカレーションと見なされている。このミサイルシステムは最大約190マイル(約300km)の射程を持ち、ウクライナがロシア領内への深部攻撃を実施することを可能にした。この攻撃は、バイデン米大統領がウクライナに対してATACMSをロシア領内で使用することを正式に許可した直後に行われた。

 攻撃の詳細

 ロシア国防省によれば、ウクライナはブリャンスク州に向けて6発のATACMSを発射した。これらのミサイルの迎撃に関して、ロシア側は以下のように報告している:

 ・5発はS-400およびパンツィリ(Pantsir)防空システムによって迎撃。
 ・1発は損傷を受け、結果として破片が軍事施設内に落下。

続きを読む


コメント(全0件)


記事を書く
powered by ASAHIネット