https://www.asahi-net.or.jp/~np9i-adc/

新型ミサイル「オレシュニク」
2024-12-16


禺画像]
【概要】

 ロシアのプーチン大統領は2024年12月16日、国防省での会議において、アメリカによるミサイル配備の拡大に対抗するため、核兵器および通常兵器の強化が必要であると述べた。プーチン氏は、アメリカが中距離ミサイルシステムを開発し、ヨーロッパやアジアに配備しようとしていることがロシアの安全保障を脅かしていると指摘し、これに対抗する包括的な取り組みを進めていると述べた。その中で、新型ミサイル「オレシュニク」を例に挙げた。

 プーチン氏は、次のように述べている。「我々の最優先目標は、これらのミサイル発射を迅速に探知し、迎撃することである。同時に、国内で生産されるこれらの攻撃システム、特に極超音速兵器の量産および配備に関わる全ての問題を効率化する必要がある。」

 ロシアは11月にウクライナのドニエプル市にある軍事工場を目標に、「オレシュニク」ミサイルを用いた初の試験発射を行い、その能力を実証した。このミサイルは極超音速の通常弾頭を備えた弾道ミサイルである。

 また、アメリカとロシアはかつて中距離核戦力(INF)全廃条約に基づき、射程500kmから5,500kmの地上発射型ミサイルを開発しないことを約束していた。この条約は冷戦時代に締結され、核兵器による偶発的な衝突のリスクを軽減することを目的としていた。しかし、アメリカは2018年にこの条約からの離脱を表明し、ロシアによる違反の疑いと、中国との競争が必要であるという理由を挙げた。プーチン氏は、アメリカのこの行動が世界的な戦略的安定性を損なったと述べ、ロシアはアメリカの兵器配備に対して同様の措置で対応する準備があると警告した。

 国防相アンドレイ・ベロウソフ氏は同会議で、「オレシュニク」ミサイルの量産が2025年に開始される予定であると報告した。また、ロシアは他の先進兵器システムの開発にも取り組むとし、軍事調達計画に必要な変更を月末までに大統領に報告する予定であると述べた。

 さらに、アメリカ国防総省は先週、「ダークイーグル」と呼ばれる中距離兵器システムの最新の成功試験を報告した。このシステムは、地上移動型のブースターロケットに極超音速滑空体を搭載したもので、来年の運用開始が見込まれており、日本やヨーロッパへの配備が予定されているとされる。
 
【詳細】

 ロシアのプーチン大統領は2024年12月16日、国防省の会議で、アメリカが進めるミサイル配備の拡大に対抗するため、ロシアは核戦力と通常戦力の両面で能力を向上させると述べた。具体的には、アメリカが中距離ミサイルを含む新たな兵器システムを開発し、これをヨーロッパやアジアに配備する計画が、ロシアの安全保障を著しく脅かすものであると指摘した。この脅威に対してロシアは包括的な防衛戦略を採用しており、その一環として新型ミサイル「オレシュニク」の開発・配備を進めている。

 アメリカの中距離兵器開発とその影響

 プーチン大統領は、アメリカが冷戦時代の「中距離核戦力(INF)全廃条約」の枠組みから離脱したことに言及した。この条約は、射程500kmから5,500kmの地上発射型ミサイルの開発と配備を禁止し、偶発的な核衝突のリスクを軽減するための重要な合意であった。しかし、アメリカは2018年にこの条約から一方的に離脱し、理由として以下を挙げた。

 1.ロシアによる条約違反の疑い(具体的にはロシアの9M729ミサイルシステムが条約に違反しているとの主張)。
 2.中国の台頭に対抗する必要性(中国はINF条約の締約国ではなかったため、同射程のミサイルを自由に開発・配備していた)。

 アメリカはこの離脱以降、新型兵器の開発を加速させており、その中には「ダークイーグル」などの中距離極超音速ミサイルが含まれる。「ダークイーグル」は地上移動型の発射システムを採用し、極超音速滑空体を搭載している。このシステムはヨーロッパや日本への配備が計画されており、2025年には運用可能となる見込みである。

 ロシアの対応:オレシュニクミサイル


続きを読む


コメント(全0件)


記事を書く
powered by ASAHIネット