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格闘技には『水』のような哲学がある
2025-02-11


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【概要】

 中国のZhang Weiliは、2025年2月9日にオーストラリアのシドニーで開催されたUFC 312において、アメリカのタティアナ・スアレス(Tatiana Suarez)を破り、UFC女子ストロー級王座の防衛に成功した。スアレスにとっては11戦無敗の記録が途絶える結果となった。

 試合は5ラウンドにわたって行われ、Zhangが判定勝ち(ユナニマス・ディシジョン)を収めた。試合後、Zhangは「スアレスは非常に強い意志を持っており、勝利への強い執念を感じた。しかし、私は頑固な性格であり、相手の強みにあえて挑戦することで自身を成長させたいと考えている。相手の強みを恐れるほど、自分のスキルが制限されてしまう。だからこそ恐れずに挑むべきだ」と語った。

 北京を拠点とする総合格闘技(MMA)コーチのLiang Runxuanは、「この試合は高度な技術のぶつかり合いであったが、Zhangは精神的な強さと試合のペースをコントロールする能力において優位性を示した」と分析している。また、Zhangは技術面だけでなく、精確な打撃と状況に応じた戦略を駆使して戦ったと評価した。

 試合は序盤、Zhangの打撃に対しスアレスがタックルを仕掛け、サイドコントロールの体勢を取る展開となった。しかし、Zhangは効果的なディフェンスを見せ、大きなダメージを避けた。第2ラウンドではZhangが攻撃のペースを上げ、スアレスをテイクダウンしてコントロールを試みた。第3ラウンドでは打撃戦においてスアレスの弱点が顕著となり、Zhangが有効打を重ねた。第4ラウンド以降、スアレスは不利な状況に追い込まれ、そのまま試合終了を迎えた。

 Liangは「Zhangはスアレスのレスリングに対して優れた防御とカウンターを発揮した。特にグラウンドコントロールにおいて、スアレスの攻撃をかわしながら、自身の組み技で相手を消耗させることに成功した」と指摘した。

 Zhangは試合後、「格闘技には『水』のような哲学がある」と語り、「水は火の上に置けば沸騰し、冷たい場所に置けば氷になる。水はどんな形にもなれる。試合でも同じであり、相手の技術やスタイルに適応することが重要だ」と述べた。

 Zhangは2019年にジェシカ・アンドラージ(Jessica Andrade)を破り、中国人初のUFC王者となった。2022年には元王者のヨアナ・イェンジェイチェク(Joanna Jedrzejczyk)との激闘を制し、その名を広く知られるようになった。この試合では激しいダメージを受け、顔に大きな腫れを負った。Zhangの母親は娘の試合をライブで観戦することができず、Zhangは毎回試合後にビデオ通話で母親の心配を和らげている。しかし、この試合後は痛みにより通話ができず、メッセージを送るにとどまったという。

 対するスアレス(34歳)は、キャリアを通じて度重なる怪我や病気に苦しみ、3年間のブランクを経て復帰した。特に癌との闘病を乗り越え、再び総合格闘技の舞台に立ったことは、多くの中国のMMAファンの共感を得ている。

 中国のMMAファンであり、スアレスの支持者であるPeng Taoは「スアレスは癌と重傷によってキャリアを失いかけたが、4年間かけて病床からオクタゴンに戻ってきた。その精神力はZhangと戦う上でも大きな武器となった」と語った。そして、「スアレスの無敗記録が途絶えたことを残念に思う人もいるかもしれないが、本当に偉大なファイターとは『無敗』であることではなく、何度倒れても立ち上がることに価値がある」と述べた。

 この試合での勝利により、Zhangは今後フライ級王者のワレンティナ・シェフチェンコ(Valentina Shevchenko)への挑戦を視野に入れる可能性があると『毎日経済新聞(Daily Economic News)』は報じている。

【詳細】

 中国のZhang Weiliが2月9日、オーストラリア・シドニーで開催されたUFC 312において、アメリカのタティアナ・スアレス(Tatiana Suarez)を破り、UFC女子ストロー級王座を防衛した。この試合でZhangはスアレスの11戦無敗記録を止め、自身のタイトル防衛を3度目の成功とした。

 試合の詳細


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