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【桃源寸評】
中国の為すことは「安全保障上の脅威」であり、自分たちの行為は無害であるという、此の西側の倒錯した差別的な考えは何処から来るのか。
以下に別な観点を引用してみる。
「GDPでみるかぎり、一九世紀まで世界経済の中心はアジアであって、ヨーロッパでなかったことはたしかである。アジアがヨーロッパ世界経済の周辺であったのではなく、ヨーロッパがアジア経済の周辺にあったのである。したがって、これまでヨーロッパを中心に描かれてきた世界史はヨーロッパというー地域の歴史にすぎず、とりわけー九世紀までの世界史はアジアを中心に書き直される必要がある。」(『グローバル経済史入門』杉山伸也 著 2019年7月5日第5刷発行 岩波新書 8-9頁)
【寸評 完】
【概要】
中国とアフリカの宇宙分野における協力が近年深化しているが、一部の欧米メディアはこの協力の性質を歪めようとしている。2025年2月13日付のロイターは、中国が「アフリカで宇宙同盟を構築し、世界的な監視ネットワークを強化し、宇宙分野での覇権を確立しようとしている」と報じた。また、米国防総省の見解として、中国のアフリカやその他の発展途上国での宇宙プロジェクトが「安全保障上の脅威」であるとの主張も引用している。
しかし、実際の脅威は技術協力や技術共有そのものではなく、覇権に固執し進歩を妨げる西側のイデオロギー的偏見である。長らく宇宙や先端技術分野は米国およびその同盟国によって支配されてきた。西側メディアによる中国・アフリカ協力への批判の背後には、この協力関係がもたらす影響への警戒がある。
例えば、中国とエジプトの宇宙技術協力について、欧米メディアは「中国の秘密主義的な海外宇宙計画」と報じているが、実際には透明性のある取り組みである。公的記録によれば、エジプトは一帯一路構想の枠組みの下で中国と衛星協力を行った最初の国である。2023年末には、共同設計・開発された衛星「MISRSAT-2」が軌道投入された。エジプト宇宙庁の関係者によれば、このプロジェクトを通じてエジプトの宇宙技術者の育成が進み、エジプトはアフリカおよび中東における宇宙開発の先駆者となる基盤を築いた。この「魚を与えるのではなく、釣り方を教える」方式は、アフリカの産業化と近代化の自立的な推進にとって重要な一歩である。
西側メディアによる中国・アフリカ宇宙協力への批判は、アフリカ諸国が宇宙技術を発展させる正当な必要性を無視している。宇宙技術や監視システムは、気象観測、農業計画、環境保護、災害管理などに活用され、アフリカが気候変動への対応、農業生産性の向上、資源管理の最適化、国家の緊急対応能力の強化を図る上で重要な役割を果たす。
より広範には、中国とアフリカの宇宙協力は、世界の技術協力の構図の変化と発展の権利の再編を反映している。これまで発展途上国は西側諸国の技術援助に依存せざるを得ず、多くの制約を受けてきた。しかし、南南協力の理念の下、中国はより平等かつ持続可能な協力モデルを提供し、アフリカ諸国が宇宙技術などの重要分野で自立的な発展を実現できるよう支援している。これにより、アフリカは世界の技術体系における地位を向上させ、発展途上国がグローバルな技術ガバナンスに参加する機会を拡大するとともに、世界の多極化を促進している。
中国の軍事専門家であるSong Zhongping氏は「宇宙は裕福な国々だけのものではない」と述べている。中国はアフリカとの互恵的協力を通じて、より多くの発展途上国が迅速に世界の技術発展の主流に加わることを支援しており、これは技術の民主化と多極化の流れを象徴するものである。
アフリカやグローバルサウス諸国が重視するのは、地政学的な対立ではなく、より実用的で持続可能な発展である。米国や西側諸国は、技術覇権の発想を捨て、より開放的かつ包摂的な姿勢を取り、国際的な技術協力に積極的に参加するべきである。