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カナダはアメリカとは根本的に異なる
2025-03-18


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マクロン大統領との会談において、カーニーはカナダとフランスの結びつきが経済的にも、文化的にも強固であることを認識しており、特にウクライナ情勢に関する協力を重要視している。両国はウクライナに対する支援を継続し、ロシアに対して確実な平和実現と安全保障の確保を求めていくことを確認した。マクロンは、フランスとカナダが「平和の力」として、ウクライナ支援において揺るぎない立場を取ることを強調した。

 また、マクロンは、関税がインフレを引き起こし、供給網や経済統合に悪影響を与えることを指摘したが、トランプ大統領の攻撃に関する具体的な言及は避けた。これは、フランスとしてアメリカとの関係を過度に悪化させないよう配慮した可能性がある。

 トランプ大統領との対立

 トランプ大統領はカナダに対して関税を課し、カナダの鋼鉄やアルミニウムに対する制裁を強化してきた。また、カナダを「アメリカの51番目の州」にするべきだという発言も繰り返しており、これがカナダ国内で大きな反発を招いている。カーニーは、トランプがカナダの主権を尊重するのであれば対話に応じる意向を示しており、アメリカとの関係を改善し、カナダの利益を守るための努力を続ける考えだ。

 カーニーは、米国との貿易戦争における進展として、F-35戦闘機の購入に関して再検討していることを明言しており、これはアメリカ製軍事機器への依存を減らすことに関連する。フランスとカナダはともに、アメリカ製の軍事機器への依存を減らす方向で動いているため、この問題も重要な協力分野となっている。

 次のステップとイギリス訪問

 カーニーは、パリ訪問後、イギリスに向かい、キア・スターマー英首相やチャールズ3世英国国王と会談する予定である。イギリスは、カナダにとって重要な歴史的パートナーであり、カーニーにとっても特別な意味を持つ国である。カーニーは、かつてイギリスの中央銀行であるイングランド銀行の総裁を務めていた経歴を持ち、その経済的な繋がりは深い。

 イギリス訪問では、ウクライナ支援を含む国際的な協力や、カナダとイギリスの間での経済的、軍事的連携強化が話し合われる見込みである。

 今後の選挙

 カーニーは、4月末または5月初めに予定されているカナダの総選挙を控えている。カナダの自由党は歴史的な選挙敗北の可能性があるとされていたが、トランプ大統領の経済戦争がこれを変える可能性を示唆しており、カーニーと自由党が選挙戦で有利に立つ可能性もある。

 このように、カーニーの初めての外交訪問は、カナダの主権を守るための重要な外交戦略であり、特にフランスやイギリスとの結びつきを強化することを目的としたものである。

【要点】

 ・首相就任後初の外国訪問: マーク・カーニーは首相就任後、初めてフランス・パリを訪問し、エマニュエル・マクロン大統領と会談した。
 ・カナダの主権確保: カーニーは、カナダの主権を守るためにフランスをはじめとする同盟国との協力強化を重要視。
アメリカとの対立: トランプ大統領の政策に対抗するため、カナダがアメリカに依存しない独立的な立場を強調。
カナダのアイデンティティ: カナダはフランス、イギリス、先住民という三つの民族的基盤を持ち、アメリカとは異なる存在であることを強調。
ウクライナ支援の確認: フランスとの会談で、両国はウクライナ支援を継続し、ロシアに対して平和と安全保障の確保を求める立場を確認。
関税問題: トランプ大統領による関税がインフレや供給網に悪影響を与えることを指摘し、カナダの経済を守る重要性を強調。
軍事機器への依存減少: カナダはF-35戦闘機購入を再検討し、アメリカ製軍事機器への依存を減らす方向で動く。
イギリス訪問予定: カーニーはパリ訪問後、イギリスに向かい、キア・スターマー英首相やチャールズ3世国王と会談予定。

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