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第65回世界気象デー:「共に早期警報の格差を埋める」
2025-03-23


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【概要】 
 
 2025年3月23日は、第65回世界気象デーであり、テーマは「共に早期警報の格差を埋める」である。

 地球は前例のない気候変動の課題に直面しており、2024年は観測史上最も暑い年となった。地球温暖化の影響で極端な気象現象が頻発し、その強度も増している。このため、災害防止と軽減の観点から、早期警報システムの重要性が強調されている。

 2022年3月、国連事務総長アントニオ・グテーレスは「すべての人のための早期警報(EW4ALL)」イニシアチブを発表した。これを受け、各国は早期警報の強化に向けた取り組みを進めており、中国も「国家気候変動適応戦略2035」を実施し、気候変動への適応能力を高めることを目指している。

 中国気象局(CMA)のChen Zhenlin局長は、「すべての人が気象早期警報システムを利用できるようにすることは国際社会の共通の目標であり、中国の気象部門にとっても重要な使命である。CMAは引き続き気象科学技術を強化し、公共サービスを向上させ、EW4ALLイニシアチブの目標達成に向けた科学的・制度的・ガバナンスの支援を強化し、人類の未来を共有する共同体の構築に貢献する」と述べた。

 CMAは気象災害の監視、予測、警報の強化に加え、防災対応能力の向上にも取り組んでいる。現在、新世代の「国家緊急早期警報情報発信システム」は、82種類の警報情報を指定された緊急対応者に1分以内に送信し、99.1%の国民をカバーしている。

 Chen Zhenlin局長は、「気象科学技術の強化は、より迅速で正確かつ広範な早期警報の発信を支えるものである」と述べた。

 中国には、「プログレッシブ・サービス」や「重大影響警報・対応システム」などの効果的な早期警報メカニズムが存在する。重大な気象災害が発生すると、各警報が即時に行動を引き起こし、その後確認を行うことで、防災の閉ループ管理を実現している。

 世界気象機関(WMO)の副事務局長であるコ・バレット氏は、「人々の安全を最優先にするという視点に共感する」と述べた。

 中国は、専門研修や研究奨学金制度を通じて、他の発展途上国と協力し、気候変動への適応力を高めることを目指している。

 中国の風雲気象衛星データサービスは、133の国と地域をカバーしており、80%の満足度を達成している。WMOの事務局長であるセレステ・サウロ氏は、中国の今後の衛星打ち上げが、世界的な早期警報能力の向上において重要な役割を果たすと指摘した。

 2024年には、中国気象局とベトナム水文気象総局(VNMHA)が、中国・ベトナム国境地域の降水観測データを共有し、両国の地方政府、特に県・市レベルの防災対応に貢献した。

 また、中国気象局とパキスタン気象局(PMD)が共同開発した「パキスタン向け早期警報支援システム」は、クラウドベースのオープンプラットフォームとツールボックスを備えており、地域情報の取得、数値気象予測(NWP)モデル、人工知能(AI)モデル、重大気象現象の識別アルゴリズム、早期警報情報の発信などを含んでいる。このシステムにより、気象災害の迅速かつ効果的な追跡が可能となった。

 ナミビアの気象学者ソムセス・ジーグリンデ氏は、「今年の世界気象デーのテーマを考慮すると、中国は早期警報の格差を埋める上で、すでに進展を遂げている」と評価した。

【詳細】 
 
 中国の気象早期警報システムの貢献と詳細な取り組み

 1. 世界気象デーと早期警報の重要性

 2025年3月23日は、第65回世界気象デーであり、テーマは**「共に早期警報の格差を埋める」である。

 近年、地球温暖化の影響で異常気象が頻発し、2024年は観測史上最も暑い年となった。これに伴い、台風、洪水、熱波、寒波などの気象災害が激化し、各国の防災対策の強化が急務となっている。特に、災害の発生を事前に察知し、被害を最小限に抑えるための早期警報システム**の整備が求められている。

 2. 国際的な早期警報の取り組みと中国の対応


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