禺画像]
【概要】
アメリカは3月25日、ロシアおよびウクライナとそれぞれ別個の合意を締結し、黒海での安全な航行を確保し、両国のエネルギー施設に対する攻撃を禁止する措置を講じることに合意したと発表した。
これらの合意が実施されれば、ワシントンが戦争終結に向けた和平交渉の前段階と位置付ける停戦への重要な進展となる可能性がある。
ロシアのクレムリンも同日、モスクワが黒海における安全な航行を確保することに同意したことを確認した。また、アメリカとロシアは、ロシアとウクライナのエネルギー施設への攻撃を3月18日から30日間停止する措置を講じることにも合意した。
ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領は、停戦が直ちに発効すると発言し、合意に違反した場合、アメリカのドナルド・トランプ大統領に対し追加制裁および武器供与を求める考えを示した。ゼレンスキー大統領は記者会見で、「ロシアが違反した場合、私はトランプ大統領に直接質問する。これが証拠だ。我々は制裁を求め、武器を求める」と述べた。
一方、アメリカとロシアの合意には、ワシントンがロシアの農業・肥料輸出に対する国際制裁の解除を求める努力を行うことが含まれており、これはロシアが長年求めてきた措置である。クレムリンは、黒海に関する合意の発効には、一部のロシアの銀行と国際金融システムの接続回復が必要であると主張している。
これに対し、ゼレンスキー大統領はこの主張を否定し、合意には制裁解除の条件は含まれていないと述べた。また、夜の演説の中で、ロシアが合意の内容を「歪曲し、世界を欺こうとしている」と批判した。
ウクライナの国防大臣ルステム・ウメロフも、ウクライナが海上での停戦と、相互のエネルギーインフラへの攻撃の停止に合意したことを認めた。しかし、ロシアの軍艦が黒海東部以外に移動した場合、これを合意違反および脅威と見なすと述べた。
アメリカは、トランプ大統領の「迅速な戦争終結」という公約を果たすため、当初30日間の全面停戦を提案し、ウクライナは3月11日にこれを原則的に受け入れていた。しかし、プーチン大統領がより広範な停戦案に対し多くの条件を提示したため、アメリカは今週サウジアラビアでロシアおよびウクライナと個別に協議し、エネルギー施設と海上での限定的な停戦を検討することとなった。
トランプ大統領は、戦争の迅速な終結を促す一方で、モスクワとの関係改善を進めており、ロシア側もこれが鉱物資源、スポーツ、宇宙開発など幅広い分野での協力につながる可能性があると見ている。
しかし、ウクライナと欧州の同盟国は、トランプ大統領がプーチン大統領と拙速な合意を結び、安全保障を損なう可能性があることを懸念している。特に、ウクライナに対しNATO加盟を断念するよう求めたり、ロシアが自国領と主張する4州の完全放棄を求めたりする可能性がある。ウクライナ政府はこれを「降伏に等しい」として拒否している。
【詳細】
アメリカの仲介による黒海の合意とエネルギー施設攻撃禁止措置
1. 合意の概要
アメリカは2025年3月25日、ロシアおよびウクライナとそれぞれ別個の合意を締結し、黒海での安全な航行の確保および相互のエネルギー施設への攻撃の禁止に関する措置を決定した。この合意が実施されれば、戦争終結に向けた部分的停戦の最も明確な進展となる可能性がある。
アメリカは当初、30日間の包括的な停戦を提案していたが、ロシア側が多数の条件を提示したため、限定的な合意に留まった。この背景には、トランプ大統領が公約として掲げた「戦争の迅速な終結」を進める意図がある。
2. 黒海における安全な航行確保
ロシアのクレムリンは、黒海での安全な航行を確保することに同意したと発表した。しかし、ウクライナ側はロシア軍艦が黒海東部の指定エリアを超えて移動することを合意違反および脅威と見なすと警告した。
・合意の条件