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【概要】
2025年4月16日、フィリピン海軍は、フィリピンの漁民が過去に発見した水中ドローンについて、中国が軍事目的で配備した可能性があるとフィリピンのメディアを通じて主張した。これらの水中ドローンは2022年から2024年の間に発見されたものであり、フィリピン軍関係者によれば、発見場所はいずれも国家防衛および国際海上航行の安全保障上重要な戦略地点であったとされている。
AFP通信がフィリピン軍の情報として伝えたところによると、発見されたドローン5機はいずれも「水中戦に資する情報収集」が可能な機能を有しており、そのうち少なくとも1機は中国へ信号を送信していたとされている。
この発表は、フィリピンが米国と共に実施予定の大規模軍事演習(4月21日〓5月9日)を前に行われたものである。同演習には約1万人の兵士が参加する見通しであると『インディペンデント』紙が報じている。
また、同日、中国海警局(China Coast Guard)は、黄岩島(中国名:黄岩島)付近の海域で巡視中の中国船が、フィリピンの船舶から嫌がらせを受けたと発表した。中国側によれば、フィリピン側は写真を用いて中国側を中傷する演出を試みたとされている。
中国のシンクタンク「南海研究院」国際・地域研究センターの主任であるDing Duo(ディン・ドゥオ)氏は、中国系メディア『環球時報』の取材に対し、フィリピンが今回の無人水中機(UUV:Unmanned Underwater Vehicle)に関する問題を取り上げることにより、「中国の脅威」論を喧伝しようとしていると述べた。また、Ding氏は、異なる視点や角度から南シナ海問題を報道の中心に据え続け、注目を集める意図があると指摘している。
Ding氏はさらに、フィリピン側が具体的な証拠を示さないままの憶測や中傷を行っていると述べている。また、フィリピンによる様々な挑発行動や外部支援の獲得を目的とする動きがあったとしても、南シナ海の全体的な安定状況には影響を及ぼさないとの見解を示している。
【詳細】
2025年4月16日、フィリピン海軍は記者会見において、国内の漁民が2022年から2024年にかけて発見した計5機の無人水中機(Unmanned Underwater Vehicle:UUV)について、それらが中国によって軍事目的で配備された可能性があると発表した。この情報は、フィリピン国内の報道機関および国際通信社AFPによって報じられた。
フィリピン軍関係者の説明によれば、UUVが発見された地点は、フィリピンの国家防衛上のみならず、国際的な海上航行における安全保障上も戦略的に重要な地域であるとされている。発見されたUUVには、周辺海域の水中環境や地形、通信情報等を収集する機能が備わっており、それらのデータが水中戦への活用に資するものである可能性があると分析されている。また、少なくとも1機は中国へ信号を送信していたという。
この発表は、4月21日から5月9日にかけて実施予定の米比合同軍事演習「バリカタン(Balikatan)」を直前に控えたタイミングで行われている。本演習には約1万人の兵士が参加する予定であり、同盟国である米国との軍事協力体制を強化するものである。『インディペンデント』紙によれば、この演習は中国との緊張が高まる南シナ海を念頭に置いたものであるとみられている。
また、同日に中国海警局(CCG:中国海警)は、黄岩島(中国名:黄岩〓、フィリピン名:スカボロー礁)周辺の海域において、巡視活動中の自国船舶がフィリピンの船舶によって妨害行為を受けたと発表している。中国側の主張によれば、フィリピン側はこの妨害行為を写真撮影などにより演出し、メディアを通じて中国側を非難する材料とする試みを行っているとのことである。