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【概要】
「ウクライナ政府とアメリカ合衆国政府との間の『米国・ウクライナ復興投資基金の設立に関する協定』」
前文の要旨
本協定は、ウクライナとアメリカ合衆国が、ロシアによる2022年2月のウクライナ全面侵攻以降、支援と連携を強化してきた背景を踏まえ、長期的な復興と戦略的パートナーシップの形成を目的とするものである。
両国は以下の点で一致している。
・米国がこれまで提供してきた財政的・物的支援の継続。
・ウクライナの主権・安全・自由に対する米国国民の投資意欲。
・核兵器放棄など、ウクライナの国際平和・安全保障への貢献。
・敵対行為に加担した国家や個人が復興から利益を得ることの排除。
・鉱業、エネルギー、関連技術分野への国際的投資の促進。
・ウクライナのEU加盟および国際金融機関等との整合性の確保。
・ウクライナの領土・領海・排他的経済水域および大陸棚における天然資源に対する主権の確認。
・私有財産および国有財産に関するウクライナの法律体系を尊重しつつも、本協定はそれを損なうものではないこと。
第I条:定義
本協定における用語定義は、付属書Aにおいて規定されている。
第II条:パートナーシップ設立のための枠組み
1.パートナーの指定
米国側は「アメリカ国際開発金融公社(DFC)」を「米国リミテッド・パートナー(U.S. Partner)」とし、ウクライナ側は「官民パートナーシップ支援庁」を「ウクライナ・リミテッド・パートナー(Ukraine Partner)」とする。これら両機関が協定(LP協定)を締結し、「米国・ウクライナ復興投資基金」という有限責任パートナーシップ(以下「パートナーシップ」)を設立する。
2.国内措置の履行
ウクライナ政府は、本協定とLP協定の履行に必要な国内法制度の整備・維持・執行を確保する。一方、米国政府も関係主体が協定を履行可能な措置を整備済みであると表明する。
3.法的安定性の確保
ウクライナ政府は、将来的に新たな法律や法改正がなされたとしても、本協定に定められた待遇より劣らない条件を本パートナーシップに対して提供することを保証する。仮に国内法と本協定の内容に齟齬がある場合には、本協定が優先される。加えて、国内法の規定を履行義務不履行の理由として用いることは認められない。
第III条:協定の目的
1.両国間の経済協力の深化を目的とする。
2.ロシアによる大規模破壊への対応として、ウクライナの復興と近代化を支援し、戦略的パートナーシップを強化する。
3.単なる資金投入だけでなく、民主的価値観、市場原理、法の支配に基づく制度・構造・技術の改革が必要であるとの認識を共有する。
4.両国の国民と政府の長期的戦略的連携の表現として本協定を位置づけ、米国がウクライナの安全、繁栄、復興、国際経済統合を支援する意思の具体的証左とする。
5.本基金は、ウクライナの重要産業分野への透明で将来志向の投資を促進するための旗艦的手段となることを目指す。
第IV条:税制および関税に関する取り決め
1.パートナーシップに関わるあらゆる収入、拠出金、支払い、分配金は、ウクライナのいかなる公的機関からも税金、手数料、課徴金、源泉徴収などの対象とされないようウクライナ政府が保証する。
2.米国の税法により、外国人が米国内で得た収入のみが課税対象であるため、ウクライナ側パートナーは本パートナーシップによって得られる収入等について米国連邦所得税の対象とはならないと予想される。
3.米国政府は、貿易拡張法第232条や国際緊急経済権限法に基づき、本協定第VIII条に言及されている市場ベースのオフテイク権により取得された物品に対して関税を課さないとの期待を表明する。
第V条:通貨の兌換および国際送金