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アメリカがアフリカを「資源の供給地」として扱っている
2025-07-11


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【概要】

 アメリカがアフリカを「資源の供給地」として扱っているという観点から、アメリカが「より良いパートナー」としてのイメージを打ち出せるのかという疑問を提示している。内容は以下の通りである。

 2025年7月9日、アメリカのドナルド・トランプ大統領がリベリア、セネガル、ガボン、モーリタニア、ギニアビサウの各国首脳と会談し、アメリカのアフリカ政策が援助から貿易重視へと転換しており、アメリカは中国よりもアフリカにとって「より良いパートナー」であると主張した。この動きは、これまでアフリカに対して無関心であったアメリカの姿勢との対照を成すが、実際には「古いワインを新しい瓶に入れただけ」であり、アフリカを依然として資源供給地や地政学的対立の盤上の駒として扱っていることを露呈していると論じている。

 「援助から貿易へ」というアメリカ政府の方針転換は注目を集めている。今月初めには、米国国際開発庁(USAID)の解体が発表され、アフリカの経済的・政治的安定性を脅かす行為として、広範な批判を浴びた。アメリカ政府は、「慈善型の対外援助モデル」から脱却し、自助努力の能力と意思を持つ国々とのパートナーシップを重視するとしている。この方針は一見、アフリカ諸国の経済的自立という願望に応えるものであるかのように見えるが、実際にはアメリカの戦略的利益を中心に据えたものである。

 ニューヨーク・タイムズは、アメリカ政府の真の狙いが「重要鉱物へのアクセス拡大と、中国のアフリカにおける影響力への対抗」にあると指摘している。アフリカはリチウム、コバルト、レアアースなどの新エネルギー産業や半導体産業に不可欠な資源が豊富であり、アメリカにとって戦略的に極めて魅力的な地域であるとされている。アフリカの首脳たちも、アメリカの優先事項を十分に認識した上でホワイトハウスを訪れたと報じられている。

 北京外国語大学国際関係学院のSong Wei(ソン・ウェイ)教授は、アメリカの貿易重視のアプローチが、実際にはアフリカに対しアメリカの利益に奉仕することを求めるものであると指摘する。USAIDの廃止はアフリカの対外債務リスクを高め、開発困難を一層深めるものであるという。援助から貿易への転換は、経済協力を「餌」として用い、アフリカの資源搾取を継続するための偽装に過ぎないと論じている。

 アメリカは長年にわたり、アフリカをそのグローバル戦略において「下層」に位置づけてきた。現在のアフリカへの関心の高まりは、米中対立の激化による副産物に過ぎない。これに対し、中国は「協議、貢献、利益の共有」を原則とする中アフリカ協力フォーラム(FOCAC)や「一帯一路」構想を通じて、鉄道、港湾、病院などのインフラ整備を推進し、アフリカ諸国の経済的自立や民生向上に寄与してきたとされている。中国はアフリカの主権と発展の選択を尊重する「内政不干渉」の方針を堅持しており、これがアフリカ諸国からの信頼を集めているという。

 中国は、アメリカを含む各国がアフリカの発展を真剣に支援することを歓迎するとし、アフリカの安定と繁栄が世界全体の利益に資するとの立場を示している。しかし、真のパートナーシップは相互尊重と互恵の上に成り立つべきであり、アフリカは大国間の競争の盤上ではなく、協力と共栄の舞台であるべきだと主張している。

 アメリカ政府は「中国よりもアフリカにとって良きパートナーである」と主張しているが、その主張はこれまでのアフリカ軽視と道具的な対応と大きく矛盾しているとされている。「アメリカ・ファースト」や一貫性に欠ける政策は、アフリカ諸国の間に根強い不信感を生んでいる。アフリカを「資源の供給地」や地政学的駒として扱う姿勢は、アフリカが望む自律的な発展と公正な協力の理念と対立するものである。アメリカが「必要な時に取り入り、不要になれば見捨てる」「自国の利益のために他者を犠牲にする」という姿勢を改めない限り、アフリカの信頼を本当に獲得することは難しいと締めくくっている。 


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