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【概要】
中国が米国債への信頼を失いつつあるとの指摘がある中、中国が国内銀行に対し米国債の保有抑制を促したと報じられた。これは、米国のドルを基軸通貨とする体制からの脱却を目指す中国の「非ドル化」戦略が重要な加速段階に入った可能性を示すものである。背景には、米国の巨額の債務やトランプ政権の政策に対する中国の懸念がある。
【詳細】
中国が国内銀行に対し、米国債へのエクスポージャーを減らすようアドバイスしたと報じられている。中国政府はこのアドバイスを公式には確認していないものの、市場関係者の間ではその背景やタイミングに疑いの余地は少ない。もし中国が大規模な米国債売却に踏み切れば、米国および世界の金利が急上昇し、世界経済に大きな混乱を引き起こす可能性がある。しかし、市場では中国は段階的に保有高を減らすとの見方が一般的であり、現在のところ米国債利回りはおおむね安定している。
トランプ米大統領は2期目の1年目において、連邦債務を39兆ドル近くに増やし、連邦準備制度を批判し、諸外国に高い関税を課すなど、ドルへの信頼を損なう政策を推進してきた。これらの政策はドルや米国債利回りを不安定にしている。中国人民銀行を中心とする中国政府当局は、保有する約9380億ドルの米国債の安全性に懸念を抱いている。
過去にも、2009年に当時の温家宝首相が米国に対し信用を守り中国資産の安全を確保するよう要請し、2011年の米国債格下げ時には中国の国営通信社が米国の「債務中毒」を批判していた。2018年には、当時の崔天凱中国駐米大使が、損失懸念から米国債保有高を減らす可能性に言及していた。
【要点】
・中国が国内銀行に米国債の保有抑制を促したと報じられており、中国の「非ドル化」戦略が加速している可能性がある。
・この背景には、巨額の債務やトランプ政権の政策によりドルや米国債の安定性が損なわれていることへの中国の懸念がある。
・中国による大規模な米国債売却は世界経済を混乱させる可能性があるが、市場では中国は段階的に行動するとみており、現時点での影響は限定的である。
・この問題は、過去の中国指導者による米国債安全性への懸念表明と軌を一にするものである。
【引用・参照・底本】
Lighter, simpler, faster: could this thrust device give Chinese drones an edge over F-35s? SCMP 2026.02.09
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