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ラブロフ外相、OSCEでの会見内容
2023-12-02


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ロシアのラブロフ外相が北マケドニアで開催されたOSCE(欧州安全保障協力機構)(註1)外相理事会の場における記者会見の要旨をまとめたものである。

 EUのボレル外交安全保障上級代表と米国のブリンケン国務長官の早い退出

 ラブロフ外相は、ボレルとブリンケンが彼の到着前に会場を去ったことについて、それは彼らが誠実な対話を避けていると見ている。

 対話の欠如と臆病さの指摘

 ラブロフ外相は、西側からの対話の不足や臆病な態度について批判しており、彼らが事実を直視し、誠実な対話を避けていると述べている。

 ウクライナ紛争に関する立場

 ロシアはウクライナから政治的解決に向けたシグナルを受け取っていないと主張し、特別作戦の目的について見直す理由がないとしている。

 EUの状態と軍事化への言及

 ロシアはEUの崩壊を望んでいないが、EU内での軍事化がNATOよりも強力であると指摘している。

 OSCEの劣化に関する主張

 西側諸国がOSCEを無意味にしようとしており、軍事、政治、経済、人道、人権などあらゆる面での劣化をロシアは観察していると述べている。

 イスラエル・ハマス戦争に関するコメント

 ラブロフ外相は、イスラエル・ハマス戦争について、ハマスを根絶するまでイスラエルはやめないという声明を耳にしているが、同時に誰も戦争法を廃止していないことを強調している。これらの発言は、ロシア外相の(註2)視点からの国際情勢に対する見解や、対話の不足に対する批判を含んでおり、特にウクライナ紛争やEU、OSCE、イスラエル・ハマス戦争に関する彼の立場を反映している。

【桃源寸評】

・EUのボレル外交安全保障上級代表や米国のブリンケン国務長官がラブロフ外相の到着前にスコピエを去ったのは、彼らが事実を手にした誠実な対話を恐れているからであり、彼らの臆病さを示している。
・ロシアは、キエフからも、またその背後にいる国々からも、政治的解決に向けた用意があるというシグナルを受け取っていない。
・ロシアは、ウクライナにおける特別作戦の既知の目的を見直す理由はないと考えている。
・ロシアはEUの崩壊を求めていないが、EUにおける軍事化は今やNATOよりも強力だ。
・西側諸国は執拗にOSCEを「無意味なもの」にしようとし続けており、ロシアは軍事、政治、経済、人道、人権などあらゆる面で劣化を観察している。
・ロシアは、ハマスを根絶するまでイスラエルはやめないという声明を耳にしているが、誰も戦争法を廃止していないことを忘れてはならない。
(以上、引用蘭のsputnik記事より。)

(註1)
OSCE(欧州安全保障協力機構)は、ヨーロッパ、北米、中央アジアの57か国が加盟する、安全保障分野で世界最大の政府間組織である。1992年以降の事務局所在地はオーストリアのウィーン。

OSCEは、1975年にヘルシンキで開催された欧州安全保障と協力に関する会議(CSCE)を母体として設立された。CSCEは、冷戦後のヨーロッパの安全保障と協力の促進を目的として、東西両陣営が参加して開催された会議であった。

OSCEは、安全保障を軍事的側面のみならず、経済、環境、人権、人道といった幅広い分野にわたって捉え、これらの分野における対話と協力を通じて、ヨーロッパの平和と安全の維持と促進を図ることを目的としている。

OSCEの主な活動は、以下のとおりである。

・政治的対話:加盟国の間での安全保障問題に関する対話と協力
・紛争予防と解決:紛争の予防と解決のための取り組み
・人権と人道:人権と人道の尊重の促進
・軍備管理と軍事透明性:軍備管理と軍事透明性の向上
・経済と環境:経済と環境の分野における協力

OSCEは、冷戦後のヨーロッパの安全保障と協力の促進に大きな役割を果たしてきた。しかし、2014年のウクライナ危機以降、ロシアと西側諸国の対立が深まり、OSCEの活動は停滞を余儀なくされている。


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