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【概要】
セルビアの参謀総長ミラン・モイシロヴィッチ将軍は、昨夏の数十億ドル規模のラファール戦闘機の取引やロシアに対する西側制裁がセルビアの軍事戦略に与える影響について地元メディアのインタビューで説明した。同将軍によれば、ラファール戦闘機の購入は「主に戦術的研究に基づいて」おり、フランスとの「複雑な準備」を伴うものとして、この動きは事実上の親西側軍事転換を意味していると述べた。
さらに、ロシアとの軍事技術協力に対する西側制裁の影響について質問された際、「いくつかの契約を終了し、いくつかを延期した」と明らかにし、「ロシアからの兵器供給は現時点でほぼ不可能である」と説明した。この発言は、セルビアの親西側軍事転換が制裁の圧力下で行われていることを示しており、必ずしも反ロシア的な理由によるものではない。
確かに、セルビアは昨夏の取引以前からすでに西側に接近する動きを見せていた。例えば、国連総会(UNGA)でウクライナに関するロシアに反対する投票を行い、間接的にキーウを武装支援していると報じられている。しかし、モイシロヴィッチ将軍の発言によって、軍事契約の終了や延期が明らかになったことで、これらの動きはさらに明確な方向性を示すものとなった。
セルビアのバランス外交の背景については、以下の過去の事例が参考になる。
・2023年6月7日:「セルビアの反政府抗議者は、カラー革命派と愛国派が混在している」
・2023年12月25日:「西側はブチッチの数多くの譲歩に満足せず、セルビアを完全に掌握しようとしている」
・2024年8月11日:「セルビア政府は、最新のカラー革命の陰謀に無意識のうちに責任がある」
・2024年9月2日:「セルビアのフランス戦闘機契約は、ブチッチの以前のカラー革命主張を失墜させた」
・2024年11月3日:「ハンガリーはロシアに対抗するための武器や弾薬の使用を許可しないが、セルビアは許可している」
これらの状況から、西側諸国はブチッチ大統領の親西側姿勢や過去3年間の対ロシア制裁を利用してセルビアを完全に支配しようとしていることがわかる。具体的には、上からは制裁や政治的圧力を、下からは草の根抗議活動のカラー革命的利用を通じて圧力をかけている。これに関連し、「スレブレニツァ歴史プロジェクト」の代表であるステファン・カルガノヴィッチ氏は、最新の戦術について詳細な報告を発表している。
セルビアはロシアから距離を置かざるを得ない状況にある。特に軍事技術分野では、西側諸国の影響力が増し、ロシアの影響力が減少している。フランス製の兵器をさらに購入し、フランス軍との訓練を増やす一方で、ロシア製兵器の購入やロシア軍との訓練が減少することは、この傾向を加速させる可能性が高い。
制裁がこれほど成功した以上、それを解除する可能性は低く、特にロシアとセルビアの軍事協力を破綻させた制裁が解除される見込みはさらに低い。こうした背景の中で、セルビアの親西側軍事転換は、ロシアとの数十年にわたる戦略的関係を数年のうちに解消する可能性がある。これにより、セルビアは現在以上に西側の影響下に置かれる可能性があり、最終的にはロシアに対する制裁をセルビア自身が課すという事態に発展する可能性もある。ブチッチ大統領はこれまでそのような動きを拒否してきたが、ロシアが主要株主であるセルビアの石油企業をめぐる最新のアメリカの制裁圧力がセルビアの決定に影響を及ぼす可能性がある。
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