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イスラエル:ロシアのシリア駐留基地を維持するよう働きかけ
2025-03-02


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【概要】
 
 イスラエルがロシアのシリア駐留基地を維持するよう米国に働きかけている理由は、トルコの影響力を抑制するためであると報じられている。イスラエルは、ハマスがシリアに移転し、トルコの保護下で活動する可能性を懸念しており、これがイスラエルとトルコの関係をさらに悪化させる恐れがあると見ている。ロシアの軍事的プレゼンスがシリアに維持されることで、このシナリオを回避できるのかは明確ではないが、イスラエルはトルコの支配を防ぐためにロシアの役割を重要視している。

 この動きは、イスラエル、アメリカ、ロシアの三者間で非公式な協力体制を築くための一環として、シリアにおけるトルコの影響力を抑える狙いがある。もしこの協力が実現すれば、ロシアはシリアの軍事的・経済的なバランスを取る役割を果たし、イスラエルはトルコの影響を抑制することができる。一方、アメリカはシリアとロシア間の調整を進め、トルコによる地政学的な圧力に対抗できるよう支援することが求められる。

 また、EUはシリアに対して外国軍の撤退を求めているが、イスラエルやアメリカのロビー活動により、ロシアの駐留が維持される可能性がある。EUの制裁解除は、ロシアがシリアに軍事的プレゼンスを保つことを認める方向に進んでいることを示唆している。

 最終的には、シリアがロシアとの協力を通じてトルコに対抗する能力を強化することが狙いであり、そのためにはロシアとシリアの間での軍事的合意や経済契約が重要となる。また、シリアの内部政治やその要請に応じて、ロシアがシリアの軍事力を再建することも議題に上る可能性がある。

【詳細】
 
 イスラエルがロシアのシリア駐留基地を維持するよう米国に働きかけている背景には、シリアにおけるトルコの影響力の拡大を抑制する狙いがある。イスラエルは、トルコがシリアにおいてその影響を強めることを懸念しており、特にハマスがシリアに拠点を移し、トルコの保護下で活動する可能性があることを危惧している。このシナリオが現実化すれば、イスラエルとトルコとの間でさらなる緊張が高まり、最悪の場合、イスラエルがシリアでの軍事行動を強化せざるを得なくなる恐れがある。そのため、イスラエルはロシアのシリア駐留を維持させ、トルコの影響力が強まるのを防ぎたいと考えている。

 ロシアの役割とその重要性

 イスラエルがロシアの駐留を支持する理由は、ロシアがシリアにおいて軍事的・経済的なバランスを取る役割を果たしているからである。トルコはシリアの北部で強い影響力を持っており、特にクルド人勢力に対して軍事的圧力をかけているが、イスラエルはトルコの支配をシリア全土に拡大させることを防ぎたいと考えている。ロシアはシリア政府の支援を通じて、このバランスを保っている。もしロシアがシリアから撤退すれば、シリア政府はトルコとの対立において不利な立場に立たされる可能性が高い。そのため、イスラエルはロシアにシリアに留まるよう求め、トルコの影響力を抑制しようとしている。

 米国の役割とイスラエルのロビー活動

 イスラエルは、米国に対してロシアのシリア駐留を認めさせるためにロビー活動を行っているとされる。米国は通常、ロシアのシリア駐留に対して反対しており、シリアの主権を尊重する立場を取っている。しかし、イスラエルは米国に対して、ロシアの軍事的存在がトルコの拡大を抑えるために不可欠であることを説得している。米国がロシアのシリア駐留を認めることで、イスラエルの地域安全保障が向上し、トルコの影響力を抑制することができると考えている。

 米国は、シリアにおけるロシアの軍事プレゼンスを維持することで、シリア政府の依存度を高め、同時にトルコの影響力を抑えることが可能だと認識している。また、米国はシリアに対して制裁を課しており、その解除を交渉するためには、ロシアの駐留が一定の条件下で認められる必要があると考えている。

 EUとシリアの関係


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