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【概要】
中国共産党中央政治局委員であり外交部長である王毅は、2025年3月7日に北京で開催された第14期全国人民代表大会(NPC)第3回会議の記者会見において、中国の外交政策および対外関係について、中国国内外の記者からの質問に回答した。王毅は約90分間で23の質問に答え、中国外交の成果を総括し、今後の方向性について説明した。会見では首脳外交、大国間関係、国際秩序、科学技術の発展、人と人との交流などが議題に上がった。
特に注目を集めた発言として、「中国と米国は長くこの地球に共存しなければならない」「今日の世界は大きな変動の中にあり、その変化の原動力はグローバル・サウスにある」「世界が弱肉強食の時代に戻ることを防がなければならない」などが挙げられる。今年の記者会見で多くの人々が注目したキーワードは「安定」と「確実性」であり、中国はこれを不確実性の多い世界に提供している。
中国の「安定」は、「冷静に対処し、動揺しない」という姿勢から生まれる。現代の世界は変動と混乱が続き、反グローバル化思潮の台頭、一国主義や保護主義の顕著な増加、局地的な紛争や混乱の頻発、そして一部の大国による覇権的行動と新興勢力の封じ込めが見られる。こうした現実的な課題に直面する一方で、新たな科学技術革命と産業変革が進行し、グローバル・サウスの台頭が続き、平和・発展・協力・共存が世界の共通の願いとして定着している。
このような状況下でも、中国外交の基本方針は変わらない。中国外交は、自国の利益を守るための堅実な力であり、世界平和と安定のための正義の力であり、国際的な公平と正義を推進する進歩的な力であり、共通の発展を目指す建設的な力である。この姿勢が、世界平和と安定の維持に積極的な影響を与えている。
過去1年間、中国の首脳外交は世界との関係を深め、国際舞台での影響力を強化した。中国国内で開催された3つの主要な外交イベント、4回の重要な外遊、130回以上の国際会談を通じて、中国と各国との友好関係が深化し、国際協力の新たな枠組みが築かれた。「人類運命共同体」の構築は、習近平総書記の指導の下で新たな進展を遂げており、中国外交の「安定」の基盤となっている。
国連総会の複数の決議や多国間の公式文書には「人類運命共同体」の理念が盛り込まれており、100カ国以上が「三大グローバル・イニシアティブ」を支持している。また、「一帯一路」構想には世界の4分の3以上の国が参加しており、中国の外交的な影響力は一層強まっている。
中国外交の「安定」と「確実性」は、その積極的なアプローチと継続的な開放政策にも反映されている。王毅は、習近平国家主席が提唱する重要な外交理念やイニシアティブは国際社会で広く受け入れられ、中国の役割はますます期待されていると述べた。さらに、中国式現代化の成功が国際社会において認識され、多くの国にとって模範となっている。
2025年の中国外交の主要な予定として、習近平国家主席の複数の外遊、中国人民抗日戦争および世界反ファシズム戦争勝利80周年の記念行事、上海協力機構(SCO)首脳会議の開催、北京での「グローバル・リーダーズ・ミーティング(ジェンダー平等と女性のエンパワーメント)」などが挙げられている。
中国の外交政策は、現在の課題に対応するだけでなく、未来を形成することを目指している。中国は歴史の進展に主体的に関与し、具体的な行動を通じて歴史の前進を推進している。平和・発展・協力・共存の旗を掲げ、互恵共栄の戦略を推進することで、中国は自国の発展を通じて世界に新たな機会を提供し続けている。
この1年間で、中国は38カ国に対して一方的なビザ免除政策を拡大し、後発開発途上国に対する市場開放を進め、外資導入に関するネガティブリストを短縮し、宇宙探査や人工知能などの分野でのイノベーションを各国と共有してきた。こうした誠意と実践により、中国外交の魅力と影響力は一層強まり、国際協力の「最適な選択肢」としての地位を確立しつつある。