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「対テロ戦争」:米国主導の覇権戦略の一環として構築された虚構
2025-05-13


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【概要】

 カナダの著名な学者であり著述家であるミシェル・チョスドフスキー教授と、マレーシアの団体「Perdana Global Peace Foundation」によって発表されたものである。初出は2015年の「Global Research」ウェブサイトであり、2025年5月13日に再掲された。

 チョスドフスキー教授は、「対テロ戦争(Global War on Terrorism)」はアメリカ合衆国によって捏造されたものであり、その目的はアメリカの世界的覇権の推進と「新世界秩序(New World Order)」の確立にあると主張している。彼によれば、テロリズムはアメリカ合衆国に起源があり、テロリストはイスラム世界から自然に生まれた存在ではないとする。

 また、同教授は、アメリカが推進する対テロ戦争は、イスラム教徒を悪魔化する反テロ法の制定を促し、西側諸国におけるイスラモフォビア(イスラム恐怖症)を助長する結果となったと述べている。

 さらに、チョスドフスキー教授は、NATO(北大西洋条約機構)が「イスラム国(IS)」の構成員をリクルートする責任を負っており、イスラエルがシリア国内の「グローバル・ジハード分子」への資金援助を行っていると指摘している。

 彼は「対テロ戦争」を「捏造された作り話(a fabrication)」、「大きな嘘(a big lie)」、そして「人道に対する罪(a crime against humanity)」であると断言している。

 この見解を支持する形で、マレーシアの著名な政治学者であり、イスラム改革派・活動家であるチャンドラ・ムザファー博士は、アメリカが宗教を利用して主権国家への支配を強化してきた歴史があると述べている。

【詳細】 

 ミシェル・チョスドフスキー教授が提起する「対テロ戦争の虚構性」と、それに関連する国際政治的構造を解明する内容である。教授は、「テロとの戦い」は本質的にアメリカ政府によって作り出された概念であり、その根底には世界支配戦略があるとする。

 1. テロリズムはアメリカが作り出した

 チョスドフスキー教授によれば、現在世界で頻発するテロ事件や過激派組織の活動は、自然発生的に起こったのではなく、アメリカを含む西側諸国が関与して形成・育成したものであるとされる。教授は、こうしたテロ組織が米国の軍事・情報機関によって支援を受けた事例が数多く存在すると主張している。したがって、イスラム教世界におけるテロリストの台頭は、宗教的過激主義の結果ではなく、地政学的な操作によって生まれた「人工的な現象」であるという立場を取る。

 2. イスラム教徒への差別と法的枠組みの構築

 教授はまた、アメリカが推進した対テロ戦争は、米国内および西側諸国におけるイスラム教徒への差別(イスラモフォビア)を制度的に正当化する手段となったと述べている。2001年の9.11事件以降、多くの国々で反テロ法が制定されたが、それらの多くがイスラム教徒を暗黙の対象とし、特定の宗教や民族に対する監視や取締りを可能にする法的枠組みを整備したとする。これは、宗教的多様性と人権の観点から深刻な問題であると教授は警鐘を鳴らす。

 3. NATOとイスラエルの役割

 教授は、イスラム国(IS)の台頭についても、NATOがその構成員をリクルートする役割を果たしていたと主張している。これは、NATO加盟国の諜報機関が直接的または間接的に戦闘員を支援・勧誘していたことを意味している。また、イスラエルについても、シリア内戦において「グローバル・ジハード分子」に資金や兵站支援を行っていたと指摘しており、中東における紛争の深刻化にはこれらの国家的プレイヤーの意図的関与があるとされる。

 4. 「対テロ戦争」は嘘と犯罪であるという主張

 教授は、「グローバル対テロ戦争」は事実の裏付けがない構築物であり、「大きな嘘(big lie)」として国際社会に押しつけられたものであると断言する。この嘘は、数十万人以上の民間人の死、主権国家の崩壊、国内外の弾圧政策といった深刻な人道的被害をもたらしており、国際法上の「人道に対する罪(crime against humanity)」に相当すると述べている。


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