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異口同音の米比
2025-06-02


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【概要】

 2025年6月1日、シンガポールで開催された第22回シャングリラ・ダイアローグの第5回全体会議において、フィリピンのギルベルト・テオドロ国防長官は、演説の中で中国に対し繰り返し攻撃的な発言を行った。彼は、南シナ海問題において中国が言行不一致であると主張し、その発言は厳しく、強い言葉で表現された。

 会議終了後、会場出口でグローバル・タイムズの記者がテオドロ長官に近づき、「中国とフィリピン(南シナ海問題に関して)には解決策があると思いますか?」と質問した。テオドロ長官はこれに対し何の返答もせず、その場を速やかに立ち去った。彼の軍事護衛官がこのインタビューを妨げた。

【詳細】 

 2025年6月1日にシンガポールで開催された第22回シャングリラ・ダイアローグは、アジア太平洋地域の主要な国防フォーラムである。その第5回全体会議において、フィリピンのギルベルト・テオドロ国防長官は、南シナ海における中国の行動を強く非難する演説を行った。

 テオドロ長官は演説の中で、中国が南シナ海問題において「言行不一致である」と繰り返し主張し、「中国政府が公平かつ公正とみなすものは、世界の他の国々、特に小国が受け入れている規範や価値観とは著しく対照的である」と述べた。彼はさらに、「中国主導の国際秩序を思い描くには、南シナ海におけるはるかに小さな隣国に対する中国の扱い方を見るだけでよい」と述べ、中国が地域で威圧的な行動をとっていると示唆した。また、南シナ海のような戦略的な海上交通路の混乱が、世界の経済に広範な影響を与えることにも言及した。

 会議が終了し、テオドロ長官が会場の出口に向かっていた際、中国共産党機関紙である「環球時報(Global Times)」の記者が彼に接近し、「中国とフィリピン(南シナ海問題に関して)には解決策があると思いますか?」と質問した。しかし、テオドロ長官はこの質問に対し、何の返答もすることなく、迅速にその場を立ち去った。彼の同行していた軍事護衛官が、記者のインタビューの試みを物理的に妨害した。

 この出来事は、南シナ海問題における中国とフィリピン間の緊張の深さを浮き彫りにするものである。フィリピン側は、中国が「プロパガンダ」と称する質問を、中国の代表団が会期中に行ったことにも不満を表明している。フィリピンの国防当局者は、中国の「ジャーナリストを装った者」が、議定書に反してフィリピンの軍関係者を追いかけ、選別された映像を用いて「フィリピン軍司令官が質問をかわした」という誤解を招くような記事を作成したと非難している。テオドロ長官自身も、中国側が正式な国防関係者を送らず、代わりに「ジャーナリストを装った若い人々、つまり彼らの諜報員」を送って質問をさせ、その後「ねじ曲げられた物語」を作り上げていると批判している。

 このように、シャングリラ・ダイアローグの場においても、南シナ海問題における中国とフィリピンの対立は鮮明に表れ、相互不信が根強い状況が示された。

【要点】 

 会議での発言

 ・第5回全体会議にて、テオドロ長官は中国に対し繰り返し攻撃的な発言を行った。

 ・南シナ海問題において中国が「言行不一致」であると強く批判した。
中国の行動が「世界の他の国々、特に小国が受け入れている規範や価値観とは著しく対照的」であると述べた。

 ・中国主導の国際秩序を評価するには「南シナ海におけるはるかに小さな隣国に対する

 ・中国の扱い方を見るだけでよい」と示唆し、中国の威圧的な行動を非難した。

 ・南シナ海の海上交通路の混乱が世界経済に及ぼす影響についても言及した。

 グローバル・タイムズ記者との遭遇

 ・会議終了後、会場出口でグローバル・タイムズの記者がテオドロ長官に接近した。

 ・記者は「中国とフィリピン(南シナ海問題に関して)には解決策があると思いますか?」と質問した。

 テオドロ長官の反応と護衛の妨害

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