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SCOの現状と国際的役割
2025-08-28


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【概要】

 SCOの現状と国際的役割

 上海協力機構(SCO)は、設立から24年を経て、現在では10の加盟国、2つのオブザーバー国、14の対話パートナー国を擁する大規模な地域組織である。これらの国々を合わせると、世界の人口のほぼ半分、地球の陸地面積の4分の1、そして世界のGDPの約4分の1を占める。2001年の設立以来、SCOは不安定な世界経済の状況において、確実性と活力を提供する存在へと成長したと、アナリストたちは指摘している。

 活発な経済・貿易関係

 SCO加盟国間の経済・貿易関係は、近年著しく成長している。その象徴が、中国とカザフスタンの国境にあるホルゴス国際国境協力センターである。このセンターでは、国境を越える人々の往来が急増しており、1日の通過者数は3万人を超えている。今年7月11日までに、このセンターを通過した人数は延べ500万人を超え、前年比で73%増加した。

 貿易においても顕著な伸びが見られる。2024年、中国と他のSCO加盟国との貿易額は3兆6500億元に達し、設立当初と比較して36.3倍に拡大した。さらに、今年1月から7月までの貿易総額は2兆1100億元で、前年比3%増となっている。特に7月単月では、貿易額が3260億5000万元に急増し、今年で最も高い月間成長率である8.5%を記録した。

 先進分野での協力の進展

 SCO加盟国は、クリーンエネルギー、デジタル経済、新エネルギー車といった新興分野での協力も強化している。

 ・カザフスタンでは、中国企業が建設・運営する風力発電所が2023年9月に稼働を開始し、同国最大級の発電施設となった。

 ・キルギスでは、中国企業の協力により建設された5Gネットワークが主要都市をカバーし、インターネット普及率が43%から70%以上に向上した。

 ・タジキスタンでは、中国との共同開発によるデジタル医療プラットフォームが、遠隔医療相談を完全にカバーし、孤立地域の住民に恩恵をもたらしている。

 また、電子商取引の分野でも協力が深化しており、2024年の中国のSCO加盟国からの越境EC輸入額は34%急増している。

 相互利益と包摂性への志向

 中国は、SCO加盟国に対し政治的条件を課すことなく支援を履行しており、これは相互信頼、相互利益、平等、協議、文化的多様性の尊重、そして共通の発展の追求を重視する「上海精神」を体現していると評価されている。

 2024年末までに、中国がSCO加盟国、オブザーバー国、対話パートナー国に行った累計投資額は1400億米ドルを超えている。スリランカの国際問題専門家は、SCOがこの24年間で成長・拡大を続けてきたことは、その包摂性と活力を示していると述べている。地政学的対立や保護主義が世界的な課題となる中、SCOは「より公平で包括的な地域ガバナンスのビジョン」を体現しているのである。

【詳細】 

 SCOの現状と国際的役割

 上海協力機構(SCO)は、設立から24年を経て、現在では10の加盟国、2つのオブザーバー国、14の対話パートナー国を擁する大規模な地域組織である。これらの国々を合わせると、世界の人口のほぼ半分、地球の陸地面積の4分の1、そして世界のGDPの約4分の1を占める。2001年の設立以来、SCOは不安定な世界経済の状況において、確実性と活力を提供する存在へと成長したと、アナリストたちは指摘している。

 活発な経済・貿易関係

 SCO加盟国間の経済・貿易関係は、近年著しく成長している。その象徴が、中国とカザフスタンの国境にあるホルゴス国際国境協力センターである。このセンターでは、国境を越える人々の往来が急増しており、1日の通過者数は3万人を超えている。今年7月11日までに、このセンターを通過した人数は延べ500万人を超え、前年比で73%増加した。


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