禺画像]
【概要】
日本の円が利上げにもかかわらず下落を続けており、円崩壊のリスクが高まっている。ブルッキングス研究所のロビン・ブルックス上級研究員は、日本が危機的状況にあると指摘している。円は対ドルで2024年6月の安値である1ドル161円に接近しており、2026年1月14日時点で159円となっている。2020年12月の103円から54%下落し、この円安は輸出企業に恩恵をもたらす一方で、有権者の最大の関心事であるインフレの一因となっている。
日本銀行は2024年3月以降、段階的に政策金利を引き上げ、2025年12月には30年ぶりの高水準となる0.75%まで引き上げた。しかし市場はさらなる引き上げを求めている。10年物国債の利回りは2.2%、30年物は3.5%となっているが、ブルックスは日本政府の巨額の債務に対して利回りがまだ低すぎると結論づけている。日銀による国債購入が利回りの上昇を阻んでいるというのが彼の主張である。
一方で、国内の経済学者は異なる見解を示している。元バンク・オブ・シンガポールのチーフエコノミストであるリチャード・ジェラムは、純債務で見れば日本は米国より低く、英仏とあまり変わらないレベルであり、2024年のOECDデータによると純利払いはゼロだったと指摘している。
【詳細】
円安の現状と推移
円相場は2026年1月14日時点で1ドル159円となり、2024年6月の安値161円に接近している。間には2024年9月の141円、2024年12月の157円、2025年4月の142円といった変動があり、一見すると取引レンジ内での動きに見える。しかし、2020年12月の103円と比較すると、6年間で54%も下落している。
この円安は日本の輸出企業が安価な中国製品と競争する上で有利に働いているが、同時に現在の有権者の主要な懸念事項であるインフレに大きく寄与している。
金融政策の変遷
日銀は2024年3月に政策金利を-0.1%から0~0.1%の目標レンジに引き上げ、8年間続いたマイナス金利政策を終了させた。その後、2024年7月に0.25%、2025年1月に0.5%、2025年12月に0.75%へと段階的に引き上げ、30年ぶりの高水準となった。
しかし市場はさらなる利上げを求めている。10年物国債の利回りは現在2.2%、30年物は3.5%となっている。5年前の30年物利回りは0.65%、1年前は2.3%であったことから、このペースが続けば1年以内に5%に近づく可能性がある。参考までに、米国の30年物国債利回りは現在4.8%である。
ブルックスの主張
ブルックスは30年物国債利回りを「問題の核心」と呼び、日本の利回りは急速に上昇しているものの、政府の巨額の債務に対してまだ低すぎると結論づけている。彼は日銀による継続的な国債購入が、利回りを市場が望む水準まで上昇させることを妨げていると主張する。
ブルックスの見解では、利回りの上昇を許容することは両刃の剣である。日本は日銀が債券購入から完全に手を引くことを余裕がなく、利回りがどこまで上昇するか誰にも分からないためである。しかし、この難局からの脱出方法も提示している。
日本政府は多くの資産を保有しているため、純債務は総債務をはるかに下回っている。日本の進むべき道は、これらの資産の一部を売却し、その収益を総政府債務の削減に充てることであると述べている。
別のSubstack投稿で、ブルックスは日本政府がGDPの100%を超える大規模な金融資産を保有していると詳述している。これには財務省が保有する米国債、ユーロ、金、社会保障・年金基金、ゆうちょ銀行と農林中央金庫の株式などが含まれる。ただし、これらの多くは流動性が低く短期間で売却できないが、この方向への行動を示すだけでも円にとって大きな違いを生むだろうと指摘している。
債務構造の実態
日銀は発行済み国債の半分強を保有しており、これは政府が主に自分自身に借金をしていることを意味する。IMFによれば、総政府債務はGDPの227%に達し、純債務はおよそ110%となる。