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ロシアがウクライナを完全かつ恒久的に制圧可能
2025-01-18


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プーチンはこれらの目標を達成するために、交渉に応じる可能性がある。特に、ウクライナの西部地域では民族主義が強く、ロシアの占領軍に対する抵抗も強いことを知っており、現実的に制圧し続けることは困難である。そのため、プーチンは現実的な選択肢として、交渉で自国の目標をある程度達成する方法を模索している。

 最近のプーチンの行動は、戦争を継続してポーランド南東部にロシア軍を進駐させることを意図したものではなく、むしろ米国に対し一部の主な目標を譲歩させるための戦術であると考えられる。このような状況では、プーチンも交渉を行い、戦争を終結させるために妥協する可能性がある。

 総括

 以上のように、ケーガンの主張は現実的ではなく、ロシアがウクライナを恒久的に制圧することは困難であり、米国とロシアの間でのブリンクスマンシップは現実的であること、そしてプーチンも妥協の可能性を持っていることが指摘される。ケーガンが行う誤った前提に基づいた議論により、米国のエリート層がウクライナへの誤った支援を促進される恐れがあるため、注意が必要である。

【要点】
 
 ロシアにはウクライナを恒久的に制圧する能力がない

 ・ウクライナは広大な国土を持ち、長期的に制圧するためには大量の軍事資源が必要。
 ・ウクライナ西部地域は民族主義が強く、抵抗運動が根深い。
長期間の制圧試みは、反政府勢力の攻撃を受けやすく、アフガニスタンやイラクのような反乱に直面する可能性がある。
 ・プーチンはリスクを回避し、交渉による解決を目指す。

 NATOの通常兵力がロシアの突破を阻止する可能性がある

 ・ロシアが軍事的にドニエプル川を突破した場合、NATOが介入するシナリオが現実的。
 ・トランプ前大統領は第三次世界大戦をリスクにすることを避けつつ、ウクライナを失うことも回避したいと考えている。
 ・トランプはNATOによる通常兵力介入を支持する可能性があり、ロシアの突破を阻止するために動く可能性がある。

 プーチンは妥協を求めるが、それはロシアの主要な目標を達成するため

 ・プーチンはウクライナにおけるロシアの主要な目標を達成するために、交渉に応じる意向がある。
 ・主要な目標には中立地位の回復、非武装化、ナチス清掃、ロシアに併合された地域の事実上の認知が含まれる。
 ・最近のプーチンの行動は、交渉による主な目標の達成を目指すものであり、戦争を継続させるつもりはない。
 ・妥協を通じて戦争を終結させる道もあると考えている。

【参考】

 〓 ロバート・ケーガント(Robert Kagan)

 ・アメリカの著名な歴史家・国際政治学者であり、ネオコン(新保守主義)の代表的な人物の1人。
 ・1996年に『大国の興亡』(原題:Of Paradise and Power)を出版し、アメリカとヨーロッパの安全保障政策における違いを指摘。その中でアメリカの役割や国際政治における価値観の違いを論じたことで知られる。
 ・主にアメリカの対外政策、特に中東・ロシア・ヨーロッパにおけるアメリカの影響力、NATOの重要性、そして民主主義の普及に対する強い信念を持つ。
 ・ウクライナ危機やロシアの行動に対する強硬な立場を取り、対ロシア政策の強化をアメリカに呼びかけている。

 ケーガントは、特にアメリカの対ロシア政策やNATOの重要性、民主主義の普及をめぐる議論で影響力を持つ人物である。ウクライナ情勢やロシアとの対立においても、アメリカが積極的な介入をすべきだと主張している。
 また、彼の主張に基づいてアメリカの国内外で議論が巻き起こることが多い。

【参考はブログ作成者が付記】

【引用・参照・底本】

Three Arguments Tearing Apart Robert Kagan’s Claims About Trump, Ukraine, & Putin Andrew Korybko's Newsletter 2025.01.15

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