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マスク次期政権で新設の「政府効率化省」トップに
2025-01-18


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【概要】

 イーロン・マスクがドナルド・トランプ次期政権で新設される「政府効率化省」(Department of Government Efficiency, Doge)のトップに就任する予定であることを受け、マスクの行動が米国および国際的な外交政策に与える影響について分析している。

 トランプ政権とマスクの影響力

 ドナルド・トランプの最初の政権は、英国のEU離脱(Brexit)や北朝鮮との交渉を含むような、他国の内政への意図的な干渉で知られていた。イーロン・マスクはそれをさらに一歩進め、個人的な影響力やソーシャルメディアを通じて各国政府や機関に直接的または間接的に影響を与え、自身の理想に近づけるための行動を取っている。

 トランプが「アメリカ第一主義」の下、取引を重視し、各国に具体的な譲歩を要求する実利的なアプローチを取るのに対し、マスクは右派的な政治思想を支持し、極右政党や個人に積極的な支援を行っている点が特筆される。

 マスクの「個人的な外交政策」

 過去半年間にわたり、マスクは様々な国で「個人的な外交政策」を展開してきた。その手法として、以下のような活動が挙げられる。

 ・極右政党や個人への支持(例:ドイツのAfD、イタリアのジョルジャ・メローニ、アルゼンチンのハビエル・ミレイへの支援)。
 ・政治家や政府機関への攻撃(例:カナダのジャスティン・トルドー首相や英国のキア・スターマー首相への批判)。
 ・選挙干渉の可能性があるアルゴリズム操作(例:ドイツの選挙を控えたX(旧Twitter)上での極右政党支持の偏向的なプラットフォーム提供の疑い)。

 国際社会の対応

 マスクの行動がトランプの外交政策とどこまで一致しているかを見極めることが課題である。特にヨーロッパ連合(EU)は、マスクが自らの影響力を用いて極右思想を助長し、EUの規制や民主主義の原則を脅かす行為に警戒を強めている。EUのデジタルサービス法(DSA)の下で、アルゴリズム操作が選挙結果に不当な影響を与える場合、高額な罰金やサービス停止といった措置が取られる可能性がある。

 今後の展望

 マスクが主導するDogeの政策は、規制緩和や極右思想の拡大を促進する可能性が高い。一方で、トランプ政権内部や国際社会での混乱を招く懸念がある。特に、米国の外交政策が誰によって指揮されているのか不明瞭になることで、国際的な同盟関係や貿易交渉に悪影響を与える可能性がある。

 結論

 イーロン・マスクの行動は、単なる個人の影響力を超え、米国の外交政策全体を形作る一要素となる可能性がある。しかし、このような「個人外交」の拡大は、長期的には国際的な信頼を損ない、トランプ政権の実効性を低下させる恐れがある。

【詳細】

 ドナルド・トランプ氏の次期政権においてイーロン・マスク氏が新たな役割を担うことに関するものである。トランプ氏の2期目の政権では、マスク氏が「政府効率化省(Doge)」の長官として重要な地位を占めることになっている。記事では、マスク氏の「個人的な外交政策」がどのようにして他国の内政に影響を与え、さらにはトランプ政権全体の外交政策と区別が難しい状況を生むかについて焦点が当てられている。

 背景

 トランプ氏は初の政権時に、アメリカ優先主義に基づいた外交政策を推進し、英国のブレグジットや北朝鮮の金正恩氏との交渉など、他国の内政に大きな影響を与えた。しかし、マスク氏の影響力はさらに広範囲かつ直接的であり、主に個人的な資源(財力、企業、そして社会的影響力)を駆使している点が特徴的である。

 マスク氏の「個人的外交政策」

 マスク氏は近年、意図的かつ積極的に他国の政治や政府に介入しているとされている。その主な方法としては以下が挙げられる。

 1.特定の政治家や政党への支持

 ・イギリスでは労働党のキア・スターマー党首を批判し、ドイツでは極右政党AfD(ドイツのための選択肢)を支援している。

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