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【概要】
2025年2月27日、石破茂首相がトランプ政権に対し先手を打ったと報じられた。日米首脳会談において、石破首相は米製輸送機の購入を検討していることをトランプ大統領に伝えた。この購入対象として考えられているのは、アメリカのBoeing社製のC-17 Globemaster IIIである。C-17は、アフガニスタンからの米軍撤退時にその飛行映像が広く報道され、キューバのグアンタナモ基地への不法移民移送でも知られる機体である。
C-17は、最大積載量が約77.5トンであり、日本の国産C2輸送機の最大積載量が約30トンであることと比べると、その性能は非常に優れている。C-17は1991年に初飛行し、2015年に生産が終了したが、過去に日本政府はこの機体の導入を検討したものの、巡航速度や離着陸に必要な距離などが性能要求に適合しなかったため、導入は見送られた。
石破首相は、2023年2月に国会でC-17に関して以下のように述べている。「C2国産輸送機は一〇式戦車が運べない。載るけれども、重過ぎて飛べない。輸送機というのは大きければ大きいほどいい、遠くまで飛べれば飛べる方がいいと思う。なぜ、一〇式戦車が載らない輸送機を造ることが正しいのか。なぜ、C17という米軍の輸送機を中古でもいいから使わないのか」。
SNS上では、軍事ファンから「石破茂本人の趣味」や「自衛隊が得られるものがなさすぎる」などの批判も出ている。しかし、軍事的な使い勝手に関わらず、この発言が対米外交のカードとして機能する可能性もある。もし、これがトランプ大統領を黙らせることに繋がるのであれば、日本にとっては「安い買い物」となるかもしれない。
【詳細】
石破茂首相は、2025年2月27日に報じられたように、トランプ政権に対して先手を打つ形で米製輸送機の購入検討を表明した。この背景には、トランプ大統領が同盟国に対して防衛負担の増加を求め、さらにアメリカ製装備品の購入を促す姿勢がある。石破首相が伝えたのは、Boeing社製のC-17 Globemaster IIIという輸送機である。この機体は、アフガニスタンから米軍が撤退する際にその迫力ある飛行シーンが注目され、またキューバのグアンタナモ基地への不法移民の移送にも使用されたことでも知られている。
C-17の特長と日本の選定基準
C-17は、最大積載量が約77.5トンという優れた能力を持ち、日本のC2輸送機(最大積載量約30トン)と比較すると、その輸送能力は非常に高い。この大きな積載能力は、戦車や大型機材の輸送において特に重要であり、特に一〇式戦車などの大型兵器を輸送する際に強みを発揮する。C-17は1991年に初飛行し、2015年には生産が終了しているが、今も世界中で使用され続けており、その信頼性と能力が評価されている。
一方で、日本政府は過去にC-17の導入を検討したが、いくつかの理由から導入を見送っている。具体的には、C-17の巡航速度や離着陸に必要な距離が、日本の使用条件に完全には適合しなかったという問題がある。特に、C-17はその大きさと性能が、使用する飛行場や施設に制約を与える可能性があるため、適用範囲に制限がある。
石破首相の発言とその意図
石破首相は、2023年2月に国会でC-17に関して興味深い発言をしている。彼は、C2国産輸送機について、「一〇式戦車が載らない輸送機を造ることが正しいのか」と疑問を呈し、C-17の導入を推奨した。彼の発言には、以下のような意図が込められている。
輸送機の能力向上:輸送機はその規模と能力が大きければ大きいほど、また遠くまで飛べる能力があればあるほど優れた機能を持つという観点で、C-17のような大型輸送機を採用することが望ましいという立場を取っている。特に、戦車やその他の重機を効率的に運搬できる点が強調されている。
国産輸送機の限界への指摘:C2輸送機は、一〇式戦車を運搬できるが、戦車の重量が重すぎて飛行が難しいという欠点がある。この点を踏まえて、より重い貨物にも対応できるC-17を使用する方が現実的だという立場を示している。