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【概要】
ドナルド・トランプ米大統領は、関税政策によって米国経済の再生を図る意図を示すとともに、国民に対して「容易ではない」との警告を発した。大統領は、自身の掲げる「経済革命」が困難を伴うものであると認めた上で、最終的には歴史的成果をもたらすと主張した。
2025年木曜日、トランプ政権は米国の主要な貿易相手国に対して大規模な関税措置を発動し、それにより米国の株式市場は新型コロナウイルス流行時以来、最悪の下落を記録した。これに対し中国は、米国製品に対して34%の関税を課す対抗措置をとったほか、他国からも報復措置の表明が相次いでいる。
トランプ大統領は土曜日、自身のSNSプラットフォーム「トゥルース・ソーシャル(Truth Social)」にて、国民に対して「堪え忍ぶように」と呼びかけた。そして「容易ではないが、最終的な成果は歴史に残るものとなる」と述べた。
また大統領は、今回の関税措置を「経済革命」と位置づけ、「我々は勝利する。アメリカを再び偉大な国にする」との意気込みを示した。中国をはじめとする多くの国々が、これまで米国を「持続不可能なほど不利に」扱ってきたと主張し、米国はこれまで「愚かで無力なサンドバッグ」であったが、「もはやそうではない」と断言した。
さらに、大統領は「雇用と企業がかつてないほど米国に戻ってきている」とし、「すでに5兆ドル以上の投資が進んでおり、今後も急速に増加する」と述べた。
一方、土曜日にはトランプ政権の政策に反対する左派系の活動家が全米各地で抗議行動を実施した。主催者によれば、「Hands Off!(手を出すな!)」と銘打たれた抗議活動は、州議会議事堂、連邦政府機関、市庁舎、公園などで1,400件以上行われたとされる。
共和党の上院議員テッド・クルーズは金曜日、関税政策が長期的に維持された場合、世界的な貿易戦争に発展する恐れがあり、それによって米国内の雇用が失われ、経済に深刻な打撃を与える可能性があると警告した。さらに、こうした事態が悪化し米国が「深刻な景気後退」に陥った場合、2026年の中間選挙において共和党は「政治的に壊滅的な打撃(bloodbath)」を受ける可能性が高いと述べた。
加えて、JPモルガン・チェースは、今回の関税措置を受けて、世界的な景気後退が生じる確率を従来の40%から60%に引き上げた。同社のチーフエコノミストであるブルース・カスマン氏は、「今回の税負担の増加は、報復措置や米国内の企業マインドの悪化、サプライチェーンの混乱などを通じて影響が増幅される可能性がある」と分析している。
【詳細】
1.関税政策の概要と趣旨
トランプ大統領は、2025年木曜日、米国の大多数の貿易相手国に対して大規模な関税を発動した。この関税は、いわゆる「リベレーション・デイ(Liberation Day、解放の日)」と呼ばれる経済政策の一環であり、米国の経済的主権と産業力の回復を目的としている。大統領はこの措置を「経済革命(economic revolution)」と位置づけ、「米国が再び偉大な国家となるために必要な過程である」と主張している。
2.市場および国際社会の反応
関税の発動直後、米国の株式市場は急落し、COVID-19パンデミック以降で最悪の下落を記録した。これは、企業や投資家が将来的な輸出入コストの増加、供給網の混乱、消費者物価の上昇を懸念したためとされる。中国は報復として、米国製品に対して34%の追加関税を課し、他の国々も同様の報復措置を示唆している。
JPMorganのチーフエコノミスト、ブルース・カスマン氏は、「今回の関税措置は、報復の連鎖や企業心理の冷え込み、供給網の寸断などを通じてその影響が拡大する可能性が高い」とし、世界的な景気後退のリスクを従来の40%から60%に引き上げたと発表した。
3.トランプ大統領の主張
大統領は、自身のSNSであるTruth Socialにて、次のように述べている。
・「容易な道のりではないが、最終的な成果は歴史的なものとなる」