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国境警備の象徴としての「Paiyike辺防派出所」
2025-04-22


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【概要】

 中国のPaiyike辺防派出所とその隊員たちの生活と歴史的な使命に焦点を当てたものであり、特にワハーン回廊(Wakhan Corridor)という地理的・戦略的に重要な地域における国境警備の実態を描いている。

 中国新疆ウイグル自治区タシュクルガン・タジク自治県にある「Paiyike辺防派出所」の活動と、そこに勤務する国境警備員たちの生活、そしてその背景にある家族や民族、国家への献身を描いたドキュメンタリー報道である。特に映画『冰山上的来客(Visitors on the Icy Mountain)』との結びつきが重要なモチーフとして扱われている。

 主な内容

 1. 国境警備の象徴としての「Paiyike辺防派出所」

 ・中国、アフガニスタン、パキスタン、タジキスタンの国境に接する戦略的要衝に位置。

 ・1950年に設立され、「一生の使命:祖国の国境を守る」と掲げられている。

 ・197キロにわたる巡回路を、世代を超えて守っている。

 2. 映画と現実の交錯

 ・北京からの旅行者・ Chen Dawei 氏が、父親の記憶を胸にこの地を訪れた。

 ・映画『冰山上的来客』の登場人物アミルのモデルとなった人物の孫であるXiaogongni・Longjikeが警備隊の副隊長として勤務しており、 Chen氏との偶然の対面が感動的に描かれている。

 3. 代々続く国境防衛の誓い

 ・Xiaogongniの家族は4代にわたりこの地で国境を守ってきた。曽祖父・アブドゥケリムは人民解放軍と協力し、地形に詳しい「生きた地図」として知られた。

 ・祖父・カディールは1951年に志願して配属され、2021年には「最も美しい退役軍人」として表彰された。

 ・一族の家訓は石に刻まれ、風雪にさらされながらも読める状態で今も残る。

 4. 現代の青年の奮闘

 ・新人警官・Yuan Xiaoは修士号を持ち、都会の職を辞退してこの地を志願。

 ・祖父が1970年代にカラコルム・ハイウェイ建設に従事していたことが動機。

 ・初めは高山病と過酷な環境に苦しむが、先輩・Liu Leiの「恐れるな」と刻まれた石に励まされる。

 ・今では法学の知識を活かして学術論文を執筆し、法執行の改善に努めている。

 評価と意義

 この記事は、中国辺境地域における国家忠誠心・家族の誓い・民族間協力を主軸に、過去と現在の連続性を象徴的に描いている。特に、映像文化(映画)と現実(現在の国境警備)が交差する演出により、読者に対して深い感動と誇りを喚起する構成となっている。

 また、テクノロジー(ドローンによる巡回など)の進展と、依然変わらぬ「国境を守る精神」との対比が示され、現代の国家観・愛国観を語る上で象徴的な事例である。

【詳細】

 中国の新疆ウイグル自治区に位置するタシュクルガン・タジク自治県のパイイカ国境警察署に焦点を当て、その地で国境を守り続ける人々の姿を描いたものである。舞台はワハーン回廊という、アフガニスタン、パキスタン、タジキスタンと接する戦略的要所であり、物理的・精神的にも「中国の最果て」と呼ぶにふさわしい辺境である。

 1. 歴史の証人としての国境警備員

 この記事の柱の一つは、「歴史の継承」というテーマである。

 ・映画と現実をつなぐ体験

 北京市から来た Chen Dawei (チェン・ダウェイ)という旅行者が亡き父との思い出を胸にワハーン回廊を訪れ、映画『冰山上的来客(Visitors on the Icy Mountain)』(1963年)に登場する英雄「アミール」のモデルとなった人物の孫、シャオゴンニ・ロンジクと偶然に出会う。彼は現在、警察署の副署長として勤務しており、その瞬間に「映画」と「現実」が交差する。

 ・「石に刻まれた誓い」


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